【政界地獄耳・10.30】:野田首相、石破副総理の「自立国政権」も
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・10.30】:野田首相、石破副総理の「自立国政権」も
★「誰が毒まんじゅうを食べたのか」。政界でささやかれるこの言葉。来月に行われる衆院での首班指名。少数与党の自公政権が多数派工作をして首相・石破茂を守り切るのか。「そう簡単ではない」というのは自民党中堅議員。石破は国民民主党へ秋波を送るため幹事長・森山裕を送り込み、国民民主幹事長・榛葉賀津也と接触。石破も連立政権まではかじが切れず、政策や法案ごとに連携するパーシャル連合(部分連合)を提案した。国民民主が連立入りすると連合が分裂を引き起こすため、苦肉の策だ。
★国民の幹部は高揚感が隠せない。「議席大幅増で強気になり、自民党から頭を下げられれば、かなりの条件闘争に持ち込む腹だろう。森山は国対方式しか持ち合わせず、カネでまとめようとするのではないか」とは自民党中堅議員。一方、国民民主党代表・玉木雄一郎は引く手あまただ。玉木を首班とする非自民・非共産の連立政権を模索する動きが野党内にある。ただ、国民民主は7議席から28議席に議席を増やしたが野党第3党でしかない。イメージは93年衆院選で自民が比較第1党ながら過半数を割り、第4党の日本新党から首相を出した「細川連立政権」だ。98議席から148議席と大幅増の立憲民主党代表・野田佳彦は当然、首班を取りに行く。「なぜ玉木なのか。野党を取りまとめて主導権を握るのは立憲だ」(立憲幹部)と息巻く。
★野党各党がまとまらなければ首班は石破で落ち着く。だが、その後の政権運営は薄氷の思いだ。そこでうごめき始めたのが94年から4年間続いた「自社さ政権」のイメージ。当時の野党自民党は宿敵社会党に首班を譲り政権に復帰。今回の場合、野田に首相を譲り、石破が副総理に収まり、自民立憲国民の「自立国政権」を模索する。いずれにせよ来年7月には参院選がある。そこまでの政権の枠組みだが、立憲・国民民主は政権に入り、経験が積める。問題はそれをまとめ上げる政治家が与野党にいるかだ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年10月30日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。