【トヨタ】:「全固体電池」27年にも実用化へ…10分以下でフル充電、航続距離1000キロ程度
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【トヨタ】:「全固体電池」27年にも実用化へ…10分以下でフル充電、航続距離1000キロ程度
トヨタ自動車は、電気自動車(EV)の性能向上に向けて「全固体電池」と呼ばれる次世代型の電池を2027~28年に実用化する方針を明らかにした。航続距離が伸び、充電時間の短縮も期待され、自社EVに搭載する方針だ。EV市場で米テスラなどが先行する中、反転攻勢を図る。
トヨタはこれまで、全固体電池を20年代前半に実用化し、まずはハイブリッド車(HV)に搭載する計画を示していた。
全固体電池が搭載されるのは、5月に新設したEV事業の専任組織「BEVファクトリー」が手がける次世代EVだ。10分以下でフル充電でき、航続距離が従来型のEVの約2倍にあたる1000キロ程度を目指している。全固体電池が搭載されれば、さらなる性能の向上も期待できる。
他の日本メーカーも全固体電池の開発を急いでおり、ホンダは20年代後半、日産自動車は28年度の実用化を目標としている。
ホンダの三部敏宏社長はEVの競争力強化に向け、「最も重要なのはバッテリーの競争力だ」としており、430億円を投じて24年春までに栃木県内の研究施設に実験用の生産ラインを設ける。日産も24年度までに神奈川県内の工場に試作ラインを作り、投資額は1400億円に上る。
トヨタは30年にEVの世界販売台数を22年実績の約140倍に相当する350万台に伸ばす計画を掲げる。このうち170万台は、BEVファクトリーによる次世代EVが占める見通しで、「ギガキャスト」と呼ばれる大型鋳造部品を採用することも表明した。
従来は86の部品を33の工程でつなぎ合わせて製造していた車体下部のパーツを、1度の鋳造で一つの部品として作れるようにする。同様の製法はテスラも導入しており、大幅なコスト削減効果が期待される。
未完成の車両が無人で自走し、工場内の次の工程に移動する仕組みも取り入れ、生産に必要な工程を現在から半分に減らすことも目指す。BEVファクトリーのトップを務める加藤武郎氏は、「大幅な部品統合を実現することで、車両の開発費、工場投資の削減に貢献できる。ものづくりの未来だ」と語った。
◆ 全固体電池 =
電気自動車(EV)や電子機器向けなどに使われるリチウムイオン電池と異なり、電解質に液体ではなく固体を使う。高出力で小型化しやすく、長い航続距離、充電時間の短縮といった利点がある。寿命の短さや、低コストで量産する技術の開発が課題とされる。
元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業・トヨタ】 2023年06月13日 06:50:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断さい。
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