【政界地獄耳・09.07】:立憲民主の代表選、党内や自民総裁選へのけん制だけじゃダメだ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・09.07】:立憲民主の代表選、党内や自民総裁選へのけん制だけじゃダメだ
★立憲民主党の代表選は7日の告示直前になって、20人の推薦人で苦戦していた元幹事長・西村智奈美、元国土交通相・馬淵澄夫が出馬を断念したことで大きく党内が動いた。まず、西村を推していた元首相・菅直人が推薦人のそろわない吉田晴美の推薦に動き、党代表・泉健太も再選出馬のめどが立った。「一大勢力を持つサンクチュアリが、『うちが泉に票を回した』と言って歩いているようだが、現職の代表の数がそろわない不体裁を嫌った連合が組織を動かしたのが真相だろう。これではまた連合依存が強まるという声もあるが、まずは一安心だ」とは党ベテラン議員。
★ただ、江田憲司と吉田会談も決裂。出馬の顔ぶれが決まるのはぎりぎりまでかかりそうだ。江田陣営は「枝野、野田、泉と財政規律派しか出馬しないのなら、自民党と変わらない。逆に今の自民党総裁選候補の方が消費税に柔軟性がある」とけん制する。誰の推薦人にもなっていない若手議員は「12年間静かにしていて何もしなかった人と3年間、蟄居(ちっきょ)していた人が急に出てくるのも不思議な感じだ。今まで泉執行部に助言し続けての出馬というより、『こいつには任せられん』が動機だと思うと、立憲の意思決定プロセスも変な感じがする」と言う。党内の歴史をひもとけば、12年の野田政権で安倍自民党と戦って、多くの仲間を失った野田佳彦がいまさら首相を目指すというのもピンとこないが、選挙敗北の責任を取って辞任した枝野は「希望の党」騒動で排除された面々が「枝野、立て」の声に揺さぶられて立憲民主党結党に至った、あの時のおかげで今があるから、枝野さんがやるならついていきますという浪花節に見えるというのだ。
★そういった意味で党内議員人気は野田、党員・地方議員票は枝野に流れるのではないかという見立てがもっぱらだが、党内けん制や自民党総裁選けん制ばかりの説明だけでなく、党の将来や、国民政党にするための努力、国民が乗りやすい政策の展開が少ない。野田・枝野の出馬が意味のあるものにしてもらいたい。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年09月07日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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