《余録・01.21》:歴代米大統領で最も在任期間が短かったのは…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.21》:歴代米大統領で最も在任期間が短かったのは…
歴代米大統領で最も在任期間が短かったのは第9代ハリソン大統領。1841年3月に連邦議会議事堂外で開かれた就任式で史上最長という2時間近い演説を行ったが、肺炎にかかり、1カ月後に68歳で亡くなった
▲就任式が大寒の頃になったのは1937年のフランクリン・ルーズベルト大統領の2期目から。それまで3月4日が任期の始まりだったが、憲法改正で早まった。大恐慌で迅速な政策決定を迫られ、11月の選挙から4カ月の政権移行期間は長すぎると判断された
▲問題は厳寒期で屋外での式典が防寒着必須になったことだ。40年前のレーガン大統領2期目の就任式は寒波で屋外行事を中止した。当時73歳。1期目から就任年齢でハリソン氏を抜いて最高齢記録を更新した。パレードなど祝賀行事の一般参加者に対する影響も考慮したという
▲極寒の天気でそれ以来の屋内開催となったトランプ大統領就任式。78歳での就任はバイデン大統領の最高齢記録に並ぶ。健康への配慮もあっただろう。2期目は前政権の政策を覆す大統領令をたっぷり準備したらしい
▲ハリソン氏は就任演説で大統領権限拡大は専制を招くと警告した。反エリート主義で民衆の絶大な支持を得た2代前のジャクソン大統領への批判が込められていたという。トランプ氏が1期目に執務室に飾った肖像画の主である
▲「トランプ2・0」は来年建国250年を迎える米政治史の枠内にとどまるのか。それとも踏み越えるのか。世界が注視する中で4年間が始まる。
元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】 2025年01月21日 02:03:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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