【卓上四季・01.03】:座右の銘
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・01.03】:座右の銘
新しい年が始まった。おとそを飲み、お雑煮を食べ、初詣に出かける。これといって変わったことがなくても、気持ちだけはあらたまるようだ。正月気分というものなのか
▼さて一年の計は…と考えて、立派なものはとんと浮かばない。健康に生きる。機嫌よく過ごす。そんなところか。振り返れば、「座右の銘」にも縁がなかった
▼雑誌「暮しの手帖」の最新号がおもしろい特集を組んでいた。タイトルは「わたしの座右の銘」。さまざまな分野で活躍する13人が、生きる指針として心に刻み、自分を導く言葉について語っている
▼漫画家ちばてつやさんは<吾唯足知>。われただたることをしる―と読む。「あるがままを穏やかに感謝し幸せに生きなさい」。年をとり大変なこともあるが「生きてるだけで合格」と思えるそうだ
▼<どこの世界にも七不思議はある>は川藤(かわとう)幸三さん。阪神タイガースの伝説の代打だった。一度もレギュラーにはなれなかったが、ここ一番で活躍する。先輩が言った「お前はプロ野球の七不思議や」が宝物だ。補欠でも歴史を作れる、と
▼歌手UA(ウーア)さんは<空の上に天国はない>。人生も折り返しを過ぎ、この世を大切にする。ジョン・レノンの「イマジン」を基に「今を天国と呼べるように努めたい」。穏やかで平和な世でありますように―。深く共感する。
元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】 2025年01月03日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます