アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

またろうの作り方: おしたくできるかな(小学一年生編)

2009年09月17日 | 高専生活
保育園で求められる「おしたく」はコップとタオル、程度のシンプルなものであったが、それも身につかないまま卒園することになったまたろう。

単位を落としたから「留年」とかそういうのないし(^^;;

小学校では、筆箱・下敷き・教科書・ノート・ドリル・絵の具・鍵盤ハーモニカなどなど、アイテムは飛躍的に増えるのに、しかもプリント類だって先生が連絡帳にはさんでくれるんじゃなくて、自分で持ち帰らなきゃいけないのに、そんな難易度の高い「おしたく」が突然できるわけがない。

一クラスの子どもは一気に増えて39人。先生は保育園と違って一人。素人考えでは、無理だ~と試合放棄、思考停止、敵前逃亡したくなりそうなところ、ベテランの先生はごく落ち着いてその事態に対処していた。

確かに入学当初は無秩序だったかもしれないが、あたたかく、辛抱強く、かつ、ポイントではきっちり決める声かけに反応して、クラス全体は、一ヶ月二ヶ月経つうちに、授業成立のための基本動作をマスターしていった。例えば、自分の席にきちんとついて先生の顔を見て話を聞くとか、先生から配るものがあるときは班の代表が取りにいくとか、そういうこと。

しかしその中で、相変わらず話を聞いていない約一名 (正確にいうともう少しいたようである)。例えば、「次は体育だから着替えて体育館に集まってください」といったら、着替えが早い子遅い子、みんなが着替えたのを見て慌てて行動を起こす子などいろいろいるだろうけど、誰もいなくなってもまったく疑問を持たず、焦らず、一人教室で和んでいるのがまたろう。あるいは、休み時間に校庭に遊びに出れば、チャイムが鳴っても帰ってこない。これじゃ、体ひとつしかない先生は困ってしまうのである。

そこで、「どうすれば授業の場に(まずは物理的に)参加できるか」というテーマで、スペシャル個人面談が繰り返されたことは言うまでもない。また、もう一点、先生が困っていたのは、帰りの場面である。

授業の最後のコマが終わると、みんな棚から自分のランドセルを取ってきて、持って帰るものを詰める。そして、「帰りの会」をしてさようなら、ということになるのだが、またろうはその「帰り支度」ができない。みんながいなくなってもひとり教室に残ってぼーっとしている。あるいは、にこにこと先生に話しかけてきて、相手をしている限りそのまま。

先生は、教室に自分がいると帰るきっかけがないのかなと思って、職員室に用事を作って立ち去り、しばらく間を開けてから様子を見に帰ってきてみたそうなのだが…またろうは、椅子を後ろに倒し、倒した椅子に座った形になり(要するに天井を向いている)楽しそうに歌をうたっていたんだとかorz

先生は、またろうが、言語理解も悪くなく、自分にも (いやっちゅうほど) なついていて、それでいてこんなに集団行動が取れないことについて、最後まで「またろうくんは、やればできるのに」と不思議に思っていたが、さりとて見放すということはなく、どうしても必要な場面では個別の援助もしながら、なんとかかんとか乗り切ってくれていた。

ときどきまたろうを教壇の上に呼び、みんなの方を見させて、「今みんなは何をしているかな?」という観察、意識付けをしようとしていたり、いろんな工夫をしていた。秋も深まるころには、かなりみんなの行動の流れに…のるところまではいかないにしても、学校が終わると学童へ向かうなどの最低必要な動作はなんとかなるようになった。

本当に、先生には多大なるご迷惑をおかけしました。この先生は、またろうが二年生になるとき異動になってしまい、別の小学校で勤務されていたが、はなひめが小学校に入るときに戻ってきて、感動の再会(^^) 私と先生と、どちらからともなくだーっと近寄ってハグしてしまった(戦友!?)。今でも心のこもったコメントを書いた年賀状をいただくが、この先生も、「担任じゃなくなった瞬間からかわいくてしょうがない」のまたろう法則につかまれてしまった人なのかもしれない。

=== 連絡帳(一年生)
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6/5(げつ) にのぷりんと しくだい
(注: またろう本人が書いた初めての連絡帳。「にのぷりんと」はひらがなの「に」を練習するプリントのこと)

(母) 昨日は、自分で書いた連絡帳がうれしくて、「パパとママにみせるものあるんだ!」とじまんげに持ってきました。宿題もすぐやって、「はなまるをもらううた(オリジナル)」をうたっていました。
(先生) 連絡帳、うれしいのですね。うれしい気持ちを、ご両親に受け止めてもらえて良かったですね。

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6/30
(注: 前日、またろうが学校で「水着忘れた」といってプールは見学になったのだが、実は前回に雨で入れなかったときのプールバッグが学校に置いてあったという話)
(先生) ご連絡ありがとうございます。「水着忘れてきました」ということで見学になってしまいましたが、あったとのこと、驚きました。「ほんとうにないか、よく考えてね」と改めて話をしました。
ご質問の件ですが、使わなかった水着は学校に置いておきます。水着、絵の具、ピアニカは、教室の隣のプレイルームに置くことにしています。生活力をつけていくこともこれからの課題ですね。よろしくお願いします。
コメント (6)
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