アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

主役を張れる音色

2016年12月02日 | バイオリン
ヴァイオリンとヴィオラって、ビジュアル的にはたいへん似た楽器で、ガタイがいい人がヴィオラ弾いてるのと、小柄な人がヴァイオリンを弾いてるのだったら見た目上、「ほぼ完全に一致」といってもいいくらいです。

   にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ←音色があまり素敵だからヴィオラも弾いてみたくなっちゃうよね(←錯覚)

弾き方も基本的には同じで、片方できる人はもう片方もある程度慣れればそこそこ弾けるでしょう…

でも、響きに関しては案外開きが大きいものですよね。そこがおもしろいところです。

昨日は、最初から最後までヴィオラ一人という、無伴奏コンサートでした。ヴァイオリンでだってそんなコンサートはさほど多くはありませんが、ヴィオラとなると激レアといってもいいくらいです。きーちゃんさんに誘われておもしろそうだと思って行くことにしたものの、聞いたことない名前(←失礼)の奏者、不便な場所の会場(トッパンホール)、さぞかしガラガラだろうと思ったら、なんと満席でした(o_o)

まぁ世の中物好きがたくさんいるもんだわ(自分を棚にあげ)。しかも知り合いに遭遇するし。きーちゃんさんの隣はきーちゃんさんの知り合いだったし。私の知らない人同士でも「あらこんなところで!!」とかいってるのが聞こえたので、そういう(?)コンサートなのでしょう。

あーそれで、奏者の名前は「アントワン・タメスティ」さんでした。知ってる? 知らないよねピアノ弾きはね…きーちゃんさんだって、知ってて誘ってくれたわけじゃないよ。

でもね、すごかったこの人。独特な音色と、卓越した集中力でぐいぐい引き込まれちゃうの。なんかコンサートの時間があっという間に感じました。

曲目は、ともかく無伴奏なので、リゲティの無伴奏ヴィオラソナタってのがあったんだけど(これがまたインパクトの強い曲で)、元々ビオラ用ってのはこれだけで、あとはバッハの
・無伴奏チェロ組曲第三番
・無伴奏チェロ組曲第一番
・無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番
というラインナップ。

「無伴奏チェロ組曲第三番」というと、ヴァイオリン初心者の教則本にある「バッハ ブーレ」ってのが入ってるやつね。私も弾きましたけど…ヴァイオリンで弾いてもいい曲ではあるけど、ともかくこれっぽっちもチェロらしさはなくなっちゃいます。けどヴィオラで弾くと断然深みのある音色で、確かにかなりチェロっぽい…

でもチェロとはやっぱりちょっと違う感じもする。そう、違うんだけど無理してる感じではなくて、これはこれであり(器として十分なサイズ)。

一方、「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番」は、かの有名な「シャコンヌ」があるやつで、ヴァイオリンで弾いたって難曲中の難曲だけど。ヴィオラだと弾きにくくはないだろうかと私が心配しても始まらないが(^^;; ほんと、鮮やかに弾かれてました。

そして、単に鮮やかだとか超絶技巧だとかいうことでなくて、一貫して「音色」そのものにやられたという感じがするんです。「ざらざら」した質感の、渋い光沢…

千住真理子さんも「ざらざら」を大切にしてバッハ無伴奏を弾かれていましたよね。そういう意味では、「心に届く演奏」としてのアプローチに共通する部分があるのかもしれないけど、もちろん、音色の傾向はぜんぜん違います。

タメスティさんの音色って、なんといったらいいのかなぁ…もちろん、ヴァイオリンよりヴィオラのほうが深みのある音になるのは当然だろうけど、なんかヴィオラの音としてイメージしていたものとも違うんです。

ヴァイオリンからチェロまでまるっとカバーできちゃう、
舞台の上でたったひとり、
主役を張れる音色。
(ふだん、弦楽四重奏とかで下から支えてくれるヴィオラは、柔らかく深みがあるとはいっても、主張する音色ではない。)

もちろん、ピアノ演奏だって音色は重要だけど。でも、「音色」自体が演奏に占めるポジションというのは、やはり違いがあるかな?

いいなぁ、ヴィオラっていいなぁ…
ヴィオラすごい!!
いや、タメスティさんがすごいだけなのかな?
使っている楽器は1672年製のストラディヴァリ。楽器もすごいらしい。

いちばん気になったリゲティの入ったCDを買って帰りました。

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コメント (4)
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