昨日、「デジピで練習できる人」という記事を書いたらshigさんがコメント(←Mixiのほうの)で
「わたしは「タテとヨコ」って呼んでるのですが、ピアノを弾くテクニックを要素に分解するんですよ。デジピで練習できるのはヨコだけなんです。そこをキチンと分けて考えられるかどうかは分かれ道ですね。」と言っていたので、
←ピアノってほんとよくできてるよね。
「タテヨコ」って何?? ってのを詳しく聞いてみた。(以下、LINEでの会話より)
shig 「ある時刻tにおける指先の位置はカルテシアン座標系において(x,y,z)と表せるはずですが」
shig 「実はyにも意味があるんだけどとりあえずオミットして(x,z)のみを考える」
私 「おっおぅ」
shig 「さらに人間の体は回転運動しかできないのでx=Σlnsinθnなる回転を考えることになるがそれはさておき」
shig 「xは値域が150cmもあるのに対し、」
私 「あーデジピはxだけね」
shig 「いえす」
つまり、ピアノを弾くときの指先の動きを、鍵盤に沿った水平方向(x軸)と、地面と垂直方向(z軸)に分けて考える。
xというのは、鍵盤の上のどのキーを弾くかということであって、
zというのは、そこをどう打鍵するかということであるといってもいい。
それだけだと、「デジピでは譜読みくらいできるけど、表現の練習はしにくいよね」というよく言われる話とまったく同じなので、ややこしく言ったことのトクがまったくないのだが、
こうやって分けて考えると、イイコトもある。
まずひとつは、x方向の移動の意外なややこしさ。
人間の体は、スムーズに横移動する車輪とかついてないので、
鍵盤の上を右に左に指先を移動させるためには、あちこちの回転移動を積み重ねてやっているわけ。
簡単にいうと、仮に肩関節を中心として腕を回したとすれば、指先の動きは円弧を描いてしまうので、鍵盤の向き(x)と合わない。それで、実際にはもうちょっとあちこちの関節を動かして合わせるのだけど、単純に位置を合わせることでいえば、いろんな組み合わせで可能なわけ。でも、ピアノの表現のために適切なのは、たぶんそのいくつかに限られるんですよね。
話が横道に逸れたけど、その先:
shig 「zはシャンドール流で最大26cm」
私 「そんなシンプルなことそんな難しくいわなくても」
shig 「しかも下10mmに意味がある」
私 「確かに」
shig 「つまり、そういうことです」
shig 「もちろんdx/dtにも意味があるんだけど」
shig 「dz/dtにはもっと意味がある」
私 「ほんそれ」
z方向の動きについて考えるとき、まぁ手を高く上げることも可能っちゃ可能だけれども、
重要なのは、キーが沈む範囲(たったの1cm)の動きですね。
shig 「わたしは打鍵直前にdx/dt=0かつz=0においてdz/dt=0であるべきと考えてまして」
shig 「特に後ろは下部雑音を最小化する条件として重要」
shig 「だけどデジピじゃそんなの練習できんよねと」
ピアノの先生にこう言われたことはありませんか?
「さっと移動して弾くキーの上できちんと止まってから打鍵するように」
それがdx/dt=0(横方向の速度がゼロ)です。
そしてまた、「弾いたら即脱力」
z=0(鍵盤の底)ではdz/dt=0(縦方向の速度)がゼロ。
私 「yでも音変わりますね、なんとなく」
shig 「はい」
私 「ピアノっておもしろいよなー」
shig 「そこはほら、黒鍵白鍵があるから。」
shig 「鍵盤も梃子になってるからそりゃ動かしやすさはあるんだけど(yによって曲げモーメントが変わる)」
shig 「それ以上に弾きやすさの問題が大きいと思う」
x方向の動き、z方向の動きに比べると、y方向の動き、つまり鍵盤の手前を弾くか奥を弾くかというのは、比較的小さい問題なのでさきほどは省略したわけですが、これに意味がないわけではない。音色は変わると思います。
キーの動きを「てこ」とすると、手前で弾くほうがちいさな力で動かすことができ、奥で弾くほうが力がいります。
力の大小といっても別に怪力がいるわけじゃないので大して問題にはなりませんが、
「ちいさな力で動かせる」ということはすなわち、動きは大きいということで、
「大きな力がいる」ということはすなわち、動きは小さいということで、
動きは拡大されているほうが、繊細なコントロールがしやすいわけですから、
そりゃ手前で弾くほうを原則とすべきですよね。もちろん、いろんな都合がありますからいつもそうとはいかないけれど。
ただ、shigさんがいっているのは、奥で弾くとぶっちゃけ黒鍵に挟まれて狭くて邪魔で弾きづらい、という効果のほうが、梃子うんぬんよりでかいといっているのです。(これはそんなに同意できない。shigさんの指が太いからかも?)
shig 「ピアノが面白いのは、フィードバック・フィードフォワード系だから弾きやすさってのが音に関わってくるってことで」
shig 「だから「整調したら音がよくなった!」なんて一見不思議なことも起こるわけです」
フィードバックとかフィードフォワードというのは、制御方法の話ですが、
弾いてみて、音を聞いて、弾き方を修正していくというのはフィードバックの考え方ですね。
これもとても弾くとき重要なことですが、そのほかに、
弾くときの感触で(音を聞く前に)即、調整していくということをしているはずです。(フィードフォワード)
だから、弾きやすい(たとえば、あらゆるキーで弾き心地が揃っている)ということで音色か実際問題よくなったりするのですね。
…ということを考えると、ピアノを弾くのってややこしい…
でもそこを、こうやって分解して考えると、見えてくるものもあると思います。
そして、デジピではその一部しか練習できないので、分けて考えて練習を組み立てるとよいって話なわけです(戻った)
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(今回もイラストはまたろう)
「わたしは「タテとヨコ」って呼んでるのですが、ピアノを弾くテクニックを要素に分解するんですよ。デジピで練習できるのはヨコだけなんです。そこをキチンと分けて考えられるかどうかは分かれ道ですね。」と言っていたので、
←ピアノってほんとよくできてるよね。
「タテヨコ」って何?? ってのを詳しく聞いてみた。(以下、LINEでの会話より)
shig 「ある時刻tにおける指先の位置はカルテシアン座標系において(x,y,z)と表せるはずですが」
shig 「実はyにも意味があるんだけどとりあえずオミットして(x,z)のみを考える」
私 「おっおぅ」
shig 「さらに人間の体は回転運動しかできないのでx=Σlnsinθnなる回転を考えることになるがそれはさておき」
shig 「xは値域が150cmもあるのに対し、」
私 「あーデジピはxだけね」
shig 「いえす」
つまり、ピアノを弾くときの指先の動きを、鍵盤に沿った水平方向(x軸)と、地面と垂直方向(z軸)に分けて考える。
xというのは、鍵盤の上のどのキーを弾くかということであって、
zというのは、そこをどう打鍵するかということであるといってもいい。
それだけだと、「デジピでは譜読みくらいできるけど、表現の練習はしにくいよね」というよく言われる話とまったく同じなので、ややこしく言ったことのトクがまったくないのだが、
こうやって分けて考えると、イイコトもある。
まずひとつは、x方向の移動の意外なややこしさ。
人間の体は、スムーズに横移動する車輪とかついてないので、
鍵盤の上を右に左に指先を移動させるためには、あちこちの回転移動を積み重ねてやっているわけ。
簡単にいうと、仮に肩関節を中心として腕を回したとすれば、指先の動きは円弧を描いてしまうので、鍵盤の向き(x)と合わない。それで、実際にはもうちょっとあちこちの関節を動かして合わせるのだけど、単純に位置を合わせることでいえば、いろんな組み合わせで可能なわけ。でも、ピアノの表現のために適切なのは、たぶんそのいくつかに限られるんですよね。
話が横道に逸れたけど、その先:
shig 「zはシャンドール流で最大26cm」
私 「そんなシンプルなことそんな難しくいわなくても」
shig 「しかも下10mmに意味がある」
私 「確かに」
shig 「つまり、そういうことです」
shig 「もちろんdx/dtにも意味があるんだけど」
shig 「dz/dtにはもっと意味がある」
私 「ほんそれ」
z方向の動きについて考えるとき、まぁ手を高く上げることも可能っちゃ可能だけれども、
重要なのは、キーが沈む範囲(たったの1cm)の動きですね。
shig 「わたしは打鍵直前にdx/dt=0かつz=0においてdz/dt=0であるべきと考えてまして」
shig 「特に後ろは下部雑音を最小化する条件として重要」
shig 「だけどデジピじゃそんなの練習できんよねと」
ピアノの先生にこう言われたことはありませんか?
「さっと移動して弾くキーの上できちんと止まってから打鍵するように」
それがdx/dt=0(横方向の速度がゼロ)です。
そしてまた、「弾いたら即脱力」
z=0(鍵盤の底)ではdz/dt=0(縦方向の速度)がゼロ。
私 「yでも音変わりますね、なんとなく」
shig 「はい」
私 「ピアノっておもしろいよなー」
shig 「そこはほら、黒鍵白鍵があるから。」
shig 「鍵盤も梃子になってるからそりゃ動かしやすさはあるんだけど(yによって曲げモーメントが変わる)」
shig 「それ以上に弾きやすさの問題が大きいと思う」
x方向の動き、z方向の動きに比べると、y方向の動き、つまり鍵盤の手前を弾くか奥を弾くかというのは、比較的小さい問題なのでさきほどは省略したわけですが、これに意味がないわけではない。音色は変わると思います。
キーの動きを「てこ」とすると、手前で弾くほうがちいさな力で動かすことができ、奥で弾くほうが力がいります。
力の大小といっても別に怪力がいるわけじゃないので大して問題にはなりませんが、
「ちいさな力で動かせる」ということはすなわち、動きは大きいということで、
「大きな力がいる」ということはすなわち、動きは小さいということで、
動きは拡大されているほうが、繊細なコントロールがしやすいわけですから、
そりゃ手前で弾くほうを原則とすべきですよね。もちろん、いろんな都合がありますからいつもそうとはいかないけれど。
ただ、shigさんがいっているのは、奥で弾くとぶっちゃけ黒鍵に挟まれて狭くて邪魔で弾きづらい、という効果のほうが、梃子うんぬんよりでかいといっているのです。(これはそんなに同意できない。shigさんの指が太いからかも?)
shig 「ピアノが面白いのは、フィードバック・フィードフォワード系だから弾きやすさってのが音に関わってくるってことで」
shig 「だから「整調したら音がよくなった!」なんて一見不思議なことも起こるわけです」
フィードバックとかフィードフォワードというのは、制御方法の話ですが、
弾いてみて、音を聞いて、弾き方を修正していくというのはフィードバックの考え方ですね。
これもとても弾くとき重要なことですが、そのほかに、
弾くときの感触で(音を聞く前に)即、調整していくということをしているはずです。(フィードフォワード)
だから、弾きやすい(たとえば、あらゆるキーで弾き心地が揃っている)ということで音色か実際問題よくなったりするのですね。
…ということを考えると、ピアノを弾くのってややこしい…
でもそこを、こうやって分解して考えると、見えてくるものもあると思います。
そして、デジピではその一部しか練習できないので、分けて考えて練習を組み立てるとよいって話なわけです(戻った)
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(今回もイラストはまたろう)