ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

万里の長城での遭難

2012-11-06 19:19:02 | Weblog
お亡くなりになられた方には、本当に残念な事と思う。

私の、病気で亡くなった姉も山歩きが大好きだった。

結婚前から、あっちの山、こっちの山と出かけていた。低い山だからと誘われた事もあった。確かに山頂まで辿り着いた時の爽やかな達成感は最高だったけど、私はパス。

姉も地域の山登りの会に入っていて、泊まりがけで山に行っていた。

「もう、若くないんだから、ハイキング程度にいていたら。昔出来たからと無理したらダメだよ。身体は気持ちとは反比例だからね。」

と、何回も私は姉に言っていた。

皆、仕事や諸々の都合を何とか付け、費用も工面して、やっと辿り着いた山。時には、想定外の気候の変化で勇気を持って引き返さなければならない時もあるだろう。

姉に聞くと、「そういう時には、反対の人がいても、どうしても声の強い人に引きづられるのよね。遭難しそうになって事もあるよ。そんな時、もう若くは無いんだなと感ずるけど、やっぱり、若い時の事を思いだして過信するのよね」 と言っていた。

姉は、最後の入院する前の月にも、仲間の人と山に行っていた。

亡くなってから、カレンダーの予定表を見たら、来年(亡くなったのは10月の末)まで山登りの予定が書いてあった。

山登りに行く為に、普段からジョギングしたり、階段を駆け足で登ったり、食べ物にも気を付け、毎年人間ドックに入って、万全に体調管理をしていた。

でも、癌は、子宮の奥深くに隠れて、ひっそりと何年もかけて大きくなっていた。

摘出手術をして、医者は「見える範囲には見当たりませんが、抗癌剤の治療はやりましょ」 と。

辛い抗癌剤の治療後、元気になって、姉の家族と私の家族で快気祝いに温泉で2泊した。

手術して8カ月後、再入院して1週間で旅立った。

「ふみちゃん、木漏れ日が綺麗な林の中を、ワンピースを着た髪の長い女の子が楽しそうに走っているよ。ウソだと思うだろうけど、本当に見えるのよ」 と、病院の白い天井を微笑みながら見つめていた。

昏睡状態に陥って行った姉は、まだ、どんな幻覚を見ていたのだろう。

今でも、木漏れ日の中に微笑みながら座っている姉を想像する。

今回のツアーの内容を見ていて、姉も行ってみたいと思っただろうな、と思った。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。



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