都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

シベリア鉄道・深夜の途中駅

1992-10-04 | ロシア  
シベリア鉄道・深夜の途中駅にて

 午前1時頃になってようやく就寝。しかし暑くてなかなか寝つかれない。ごそごそやっているうちに午前2時頃になってしまい、次の途中駅に列車が停車する。通路にあるタイムテーブルを見ると、停車時間は約12分間。そこで私は単独で列車を降り、駅の様子を見ることにした。

シベリア鉄道・深夜の途中駅にて

 カメラを持って外に出る。空気が張りつめたようで極めて寒い。ホームに屋根のない小さな駅は、明かりがいくつかついているだけでとても暗い。しかし列車には暖かそうな灯りがともっており、何だかとても嬉しくなる。カメラを構えて列車と駅を撮ったが、暗いので露出が長くなり、手ブレ寸前だった。よく見ると列車の前部からは蒸気のようなものが出ている。架線がないようなのでディーゼル車なのだろう。ハバロフスク近辺は電化されているが、途中の田舎区間は電化されていないらしい。

 寒いのと、いつ発車するかわからないので早々に車内に戻る。その後、心地よい疲労感に襲われて、私もようやく寝ついた。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#鉄道  #夕景・夜景 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シベリア鉄道でウラジオストクへ

1992-10-04 | ロシア  

 18:30、ハバロフスク駅到着。早速荷物をひいて列車へ向かう。日本と違ってプラットホームは線路と同じ高さだ。車両に乗るにはステップを3段ほど登らねばならない。スーツケースを持っているので結構これは面倒だ。

ハバロフスク駅(Google Map)

 列車の名前はオケアン(ОКЕАН)と言い、「海洋」という意味だそうだ(英語のOceanにあたる)。ハバロフスク−ウラジオストク間の夜行列車であるから、極東の海に近い所を走るという意味で海洋なのだろう。シベリア鉄道はほとんど内陸の森林、平原を走っているが、例外的にこの区間では海が近い。確かに翌朝、ウラジオストク近辺になると、列車は海沿いをしばらく走った。そういう意味でこの列車にふさわしい名だ。

 個室は4人部屋で、両側に上下2段のベッドができる型式。
 19:07、既に日が暮れ、真っ暗になったハバロフスク駅から、列車は静かに発車した。日本の寝台特急もそうだが、電車特急ではなく、牽引車が客車を引く列車なので、モーター音がしない車内は静かだ。

 列車に乗ってしまうと特にやることがなくなってしまう。そこで早速ベッドの用意をして、日記を書いたり、カードゲームをしたり、思い思いにリラックスする。

 アレキサンドル氏が気を遣ってくれて、熱いチャイを出してくれる。チャイはロシアの紅茶。各車輌の端のデッキ近くに熱湯の出る給湯器があり、そこで湯を汲みチャイをいれる。車内では、ガラスカップの外側に把手付きの金属製のコップ受けがついたマグカップを使っている。熱いチャイを入れるのにガラスコップだとやけどをしてしまうからだろう。コップの底にはかなりの量の砂糖が入れてあり、これをスプーンで適当にかき混ぜ、好みの甘さにして飲む。チャイ自体は香りも良くおいしいが、砂糖の加減は全く大陸風の大雑把な感じで、最初にちょうど良い甘さにしてしまうと、飲んでお湯の量が少なくなるにつれ、どんどん甘くなってしまい参ってしまう。甘くなったら、またチャイを注ぎ足せば良いと言われたが、そういうことじゃないだろ・・・。

 車内は暖房が効いていて暑いぐらいに暖かい。結局就寝時には少し涼しい廊下の空気を入れるために、個室と廊下の境の扉を少し開けておくことにした。車両の両端には仕切扉があり、その外側にトイレがある。ロシアのトイレはやはり全体に臭くて、慣れるまでに少し時間がかかる。

 21:30頃、ビャゼムスカヤという途中駅に停車。夜中なのだがそれなりに乗降する人々はいた。しかし駅周辺にしか灯りはなく、町は全く静かに寝静まっている。ハバロフスク・ウラジオ間に大都市はなく、途中は森林や原野が大半なので、外は真っ暗。鉄道で窓外の風景を楽しむことはほとんどできない。また冬場は列車の窓が二重窓になっており、ネジで固定されているので、窓を開けて景色を見ることもかなわない。しかもそのガラスが汚れているので、窓外の風景はずっとソフトフォーカスだった。

 22時頃になって、ハバロフスクの市場で500RBで購入したサケの薫製を、皆で食べる。手持ちのナイフで薫製を開き、ちぎって食べていく。これが意外に甘くてなかなか旨かった。気持ち悪がってあまり食べない者もいたが、私たちは結構パクパク食べてしまった。

 この後、先生も含めてロシアントイレ談議に花が咲いた。曰く、なぜ便座が無いのか? なぜ水が溜る所が手前側なのか? それではどちら向きに座るのが正しいのであるか? 寒い所ではトイレはどうなってしまうのか? ブツや液体は凍ってしまうのか? いやはや大の大人が寄ってたかってする話ではないような気もしたがまあ良い。トイレひとつとってもカルチャーショックなのだ。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#鉄道  #夕景・夜景 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

給水塔

1992-10-04 | ロシア  

 バスに乗って鉄道駅へ向かううちに日没になる。駅のそばで見かけた給水塔は、ぽつんと建っている姿が妙に印象的だった。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#塔 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信号機

1992-10-04 | ロシア  

 17時頃に荷物を持ってホテルを後にする。再度町中へ行き、またCafe Sapporoで夕食。昼食がディナーだったので、夕食は簡単だと言われ、それじゃ夜おなかが減ってしまうかもなぁと心配だったが、さほど少ない訳ではなく、そこそこお腹が満たされた。壺入りのシチューのようなものが出されたのだが、暖かいものが食べられるとは思っていなかったので、これは非常に嬉しかった。しかしまだ、ロシア料理にありがちな酸っぱい味つけに馴染めていなかったので、食欲も若干減退気味で、全体には少々つらかった。

 夕食後、店の外に出てみると目の前の角地は公園だった。後にウラジオストクを調べる内にわかったのだが、ソビエトの都市では社会主義の成立後、プロパガンダ目的の公園を街中の角地に結構造っている。ここもその一つで、ソ連特有の赤い色のついた看板や指導者の絵、モニュメントが整然と並んでいる。しかし夕暮れ時で公園はひっそりとしていた。

 バスで駅へ向かう。ハバロフスクの幹線道路沿いの信号機は、3m程度の縦形のものが道路傍に立っているタイプだった。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#道 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦闘機のモニュメント

1992-10-04 | ロシア  

 ハバロフスクからウラジオストクまでは夜行のシベリア鉄道で行く。列車の出発が19時過ぎなので、市場を見た後、ホテルに戻ってしばらく休憩。その後、街中で夕食を食べて駅へ向かうことになる。

 昨夜は見えなかったが、沿道には記念碑などもあった。社会主義を賛美するものか、軍の記念碑なのか、旧ソビエトの戦闘機が飛び立つような姿で展示されている。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#モニュメント
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サイドカー

1992-10-04 | ロシア  
サイドカー

 ところで、こちらではサイドカーをしばしば見かける。とはいってもあまり高級なやつじゃないけど。考えてみれば二人が乗れて経済的なんだから、結構合理的で良いのかもしれない。でもごっついスタイルで重そうで、あまりスピードは出そうにない。あくまで実用的な代物である。しかしそれが社会主義的で愛嬌があるように思えたりもする。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#自動車 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アムール並木道内の市電

1992-10-04 | ロシア  
並木道内の市電線路  Google Map

 ハバロフスクは、街の中をいくつかの広幅員の緑地帯が貫いており、中心部に美しい並木道が存在している。緑地帯の中には市電も走っている。日本だったら、繁華街の中の目抜き通りに公共交通機関が走っているが、ハバロフスクでは目抜き通りのカールマルクス大通りには市電はなく、逆にお店がない緑地帯の中を市電が走る。

市電停留所付近

 並木道は広々としていて、人もまばらなのだが、市電の停留所には人がエラクたくさんいて電車も満員。電車がやってくると、わらわらと人が集まってくる。大通りにはあまり人がいなかったのに、並木道の中の停留所には沢山の人々。人の集まり方が何だかとても偏っていて、そこらへんもまだよく理解できない。

1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#鉄道  #公園 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アムール並木道

1992-10-04 | ロシア  

 市場を出て北側へちょっと行くと、大きな並木のある公園緑地状の広い道に出る。

アムール並木道
1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#公園 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サーカスのテント

1992-10-04 | ロシア  
サーカスのテント

 市場の入口正面にはサーカスの小さなテントがあった。サーカステントなんてしばらくぶりに見たような気がした。なんか遠い昔に置いてきてしまったような感覚を覚えて、それについてはあまり深く考えて浸ってしまいたくないような気分になってしまった。

#商業系 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自由市場

1992-10-04 | ロシア  

 昼食後「それじゃベリョースカへ行きましょう。」と通訳さんが言ったので、私たちは幼稚園児のように「ハーイ。」とお返事してバスに乗り、そのベリョースカなる所へ向かった。ちなみにベリョースカというのは国営の外国人向けのお店、つまり外貨ショップである。後でわかったことだが、外貨ショップは、町中のお店に比べて異常に高い値段で、外国人(例えば日本人旅行客)に物を売っているのだった。でもその分、品物は絶えず補充され、売り切れということはなく、またそのバリエーションも町中に比べれば格段にあることも事実だった。しかしあまりの高さに何だかばかばかしくなってしまうのも確かだった。

 しかしこの日は幸か不幸か日曜日で、ベリョースカも休業日だったので僕らは一気にやることがなくなってしまった。大体現地ガイドが、日曜日が休みだということを知らないということ自体不思議な話なんだけど。

ハバロフスク:自由市場  Google Map

 そこで僕らは方針を変えて自由市場へ向かうことになった。自由市場はソ連崩壊後、市場経済が導入されて、それ以降に生まれた民間の市場である。14時頃に到着してみると、他の場所と比べて格段に人が多くごった返している。なんだ、こんなに人がいたのかという感じ。

市場内部

 市場のメイン建物はパイプフレームのスーパーストラクチャー構造の屋根で、町中では見られなかった現代的、仮設的なものだった。この他キオスクのような仮設小屋も立ち並び、ここにも沢山の品物が置かれていた。屋内市場では野菜、果物、肉類などの生鮮食料品類が売買されていた。日本の場立ちのような騒々しさはないが、秤を前にして店の人が座っていて、量り売りをしてくれる。果物の香りが漂い、薫製の匂いもやって来て、ナンダナンダというようにハエも結構たくさん飛び回っている。ハエにはちょっと参ってしまうのだが、何だか実に魅力的な光景である。でもアレキサンドル氏は下手にナマモノを買っちゃいけませんと、何だかそれこそ幼稚園児に諭すように私たちに言うのだった。それでも牛乳のソフトクリームとか、リンゴとかうまそうなんだけどなぁと、私は指をくわえて見入ってしまったのでした。

 良く見てみると、市場で使われている秤はみんな同じ。社会主義の国だから秤なんてみんな同じなのかもしれないが、どうも出店しているのは周辺のコルホーズからやって来た農民達で、市場で秤を借りて営業しているらしい。そしてそれが市場の使用料なのではないかとも思われる。

キオスク状の店舗群

 屋外のスペースにも、所狭しとテントや仮設店舗が立ち並ぶ。物々交換もどきのものも結構多い。コートや服を数枚持って、立ったまま買い手を探している人もいる。不思議なのは、靴や手袋を片方だけ売っている人である。そんなもんで売れるのかしらんと思ってしまうが、彼らは真剣。

 人込みに入ると身の回りの貴重品が非常に気になる。でもこの活気のある市場の写真は撮りたいので、カメラを首から下げて大事そうに抱えて歩き回っていると、あちこちでロシア人の視線を浴びる。その視線は日本でのそれとは明らかに違う。日本のそれは、「何撮ってるんだこいつ?」もしくは「あたしのこと撮ってるのかしら?」的なのんきなものだが、ロシアでは、いいなぁそれ、欲しいなぁそれ、にいちゃん安く売ってくんないかなぁそれ、なのである。でもそれはチョット困るのだ。

トラックで売る

 市場の入口近くには幌付きのトラックが並んでいて、みな後部を開けてそこに秤を置き、野菜その他いろんなものを売り買いしている。売り手が荷台に載って、下を見下ろすようにして売っているのが妙なのだが、まあそれは良い。人々はおとなしく列をなして並び、順番に買っていくのだが、売り切れてしまったらハイそれまでヨで、彼らはパタパタと片づけてしまう。しかしさっきの表通りと極端なまでに対照的に活気のある市場だったのが印象的である。

#商業系  #自動車 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする