百人町の戸建て住宅地の西はずれには、給水塔が忽然とそびえ立っている。

都営戸山アパート第一給水塔
建設年:1949(昭和24)
高さ:54m
灰色のコンクリートの六角塔は、最近のスリムな給水塔に比べてガッシリしており、蔦も絡まりかなりの迫力がある。見知らぬ街でいきなりこういうものに出会うと、監視塔のように思えて、ちょっと恐くなったりしてしまう。悪いことをしているわけではないのだが、上から見下ろされているような気がして、畏れを感じてしまう。

頂部には小さな小屋も付いている。内部の階段を使って上部まで行き、そこから外のハシゴを使って先端に辿り着くらしい。錆び付いたハシゴが張り出す姿もおどろおどろしい感覚を呼び起こす。
数年前までは地区の東側にももう一つの給水塔が建っていたが解体されたという。この給水塔も将来的には役目を終え、解体されてしまうのかも知れない。
新宿区百人町は、立ち退きが進み解体されゆく風景と、老朽化しつつも立ち続ける給水塔が印象的な街だった。
Photo 2006.2.5
2006.9.19 追記
癸卯雑識という給水塔を中心としたBlog内の記事によると、2006年7月に、この第一給水塔の解体が始まったとのこと。10月末までの工期で解体が行われているらしい。
Tokyo Lost Architecture
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