都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

鉄塔に萌える

2006-02-10 | 中野区  

 昨日記した東京電力目白変電所は、山梨県にある鹿留発電所(水力)から都内に送られてきた電力の変電所なんだそうだが、調べてみたら、送電鉄塔見聞録というHPがあった。これによると「東京電燈谷村線」は1913年(大正2年)に建設され、鹿留水力発電所から目白変電所までの95kmを結んでいたが、初代谷村線は昭和30年前後に廃止されたのだそうだ。あれ、では現在はどうやって目白変電所に電力を送っているのだろう? しかし送電の仕組み自体がよく分かっていないので、ネットで調べている私にはこのへんが限界なのでした。

新井薬師前の踏切
Photo 2006.2.3

 ところで西武新宿線の新井薬師前駅の跨線橋から見ると、線路の上空に門型の鉄塔が建っていて、そこに電車の架線とは別に送電線が張られている。鉄塔にとり付けられた看板には、東京電力目白線とある。もしかしてこの目白線が目白変電所に繋がってるのだろうか?(詳細は確認していないので不明です。)

東京電力の門型の送電鉄塔
Photo 2006.2.3

 新井薬師前の駅は急カーブになっている。跨線橋から高田馬場方向を見ると、送電線の鉄塔も線路に沿ってカーブして並んでいる。地上では西武新宿線が人々を都心へ運び、上空では電力需要に応えるべく電気が都心へ向かっているのでした。

 その気になってよく見ると、この鉄塔は電車の架線柱も兼ねていることもあって、日頃思い浮かべる鉄塔とはかなり違う形をしている。トラスを組み上げて造るあたりは基本的には全く同じなのだが、できあがる形はいろんなものができるんだなと改めて認識。

 さて、今回目白変電所や谷村線をネットで調べていたら、上記の送電鉄塔見聞録だけでなく、他にも多くの鉄塔サイトが存在していて、鉄塔好きな方が結構お出でになることが判った。私もいろんな鉄塔が格好良いなぁと思うことがあるが、送電鉄塔だけに焦点を当てて、全国の鉄塔を見て歩いている方がいるなどとは思いもよらなかった。ちなみに送電鉄塔見聞録では、西武新宿線上空の送電鉄塔も、「門型鉄塔専門館8 目白線」としてちゃんと取り上げられています。

 いやはや鉄塔もかなり奥が深いということが分かった。何が面白いかって、単純な鉄のアングル材を組んで、こんなに多くのデザインバリエーションができてしまうところがすごい。そして装飾などが全くなく、機能に徹している潔さ。機能的な要求から来る美しさは、モダンデザインの基本かも知れない。

 また冬場の抜けるような青空を背景にして聳える鉄塔や、夕焼けの中、シルエットになる鉄塔・・・、私も子供の頃、近くの田んぼで遊んでいて、遠くに見えていた送電線の鉄塔が印象的だったことを覚えている。そういえば、講義をしている某大学でも、学生がいろんな鉄塔をレポートしてきたことがあった。その時も、調査のきっかけは子供の頃の原体験とその美しさだった。鉄塔を見に行くというのも、案外面白いツアーかもしれない。

 さてもうひとつ、鹿留発電所のほうを調べてみると、これは山梨県都留市鹿留にあるらしい。河口湖の水を取水口から吸い込み、下流で吐き出し、それを発電所に送る水路が大正7年に造られていて、うそぶき水路という水路の呑口部と吐口部が、共に国の登録有形文化財になっている。どうやら河口湖からの水を利用して発電しているらしい。ルートは違うが現在も東京に送電してるのだろうか? もしそうなら、富士山に降った雨や雪解け水が、電気になって都心へ向かっていることになるのかな。

 発電所、工場、水門・・・いわゆる近代化遺産というものもなかなか魅力的だ。無駄な装飾がほとんどなく、機能美にあふれているところが、単純明快で良い。そしてこれらは産業の時代、近代という時代のたどった軌跡をよく表している。

 今回参考にした、鉄塔・水力発電関連サイト

みそがいのこれは・これは
そこに鉄塔がある
「送電鉄塔Webring」
毎日送電線
送電線
フルタニアン宮殿
yoshihiro's
水力ドットコム
#塔  #鉄道
コメント
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