高田馬場周辺では、早稲田通りの北側に神田川が流れている。通りから神田川へ向かっては全般に北向きの斜面になっている。駅近くのさかえ通りは川に向かって緩やかに下っていくのだが、駅から少し離れると、意外に急な傾斜を持つ場所もあり、崖(擁壁)や急坂、階段、二階から入る住居といった、斜面地に特有な要素が見られる場所になっている。
高田馬場3丁目(クリックで拡大します)
Photo 2006.2.3
斜面上に住居をかまえるために擁壁が造られ、宅地の北側に小さな崖下通りができている。全体に道路は狭く、宅配便のトラックが、すれ違いのために急坂をバックで上ることもある。
崖上の住宅やアパートへはアプローチ階段を使って上っていかねばならない。右写真の二つのアパートはそれぞれ独立してアプローチ階段を持っている。右側のアパートへは電柱の右側の階段を上る。左端のアパートへは、左の階段を使う。郵便局員も何度も上ったり下りたりせねばならず大変。地形だから仕方ないけれど、ごくろうさまです。
左:高田馬場3-19 崖下の道へ降りる階段
右:高田馬場3-41・42 公園脇の階段
Photo 2006.2.3(クリックで拡大します)
最近はバリアフリー化もあって、都内の階段には順次手摺が付けられている。私道でも通り抜け可能であれば設置されるようだ。左の階段の手摺はちょっと古くて、小学生などが滑って遊んだりしているタイプ。右の階段の手摺は、暗くてちょっと見づらいが、新宿区タイプ(私が勝手に呼んでるだけだけど。)。コストダウンを狙っているのか知らないが、手摺の型が全く同じものが区内にいくつもある。ここの踏み面はコンクリートだが、赤茶色または白ののタイル張りというのも新宿区では定番。みんな同じようなパーツを使っているとつまらなくなるので、もっとバリエーションをつけて欲しいと、階段マニアはひそかに思っている。
左:高田馬場3-29 馬頭観音わきの階段
右:高田馬場3-12-20 飛び石路地の階段 Photo 2006.2.3(クリックで拡大します)
写真(左)は、馬頭観音わきという印象的な場所にある小さな階段。踏み面の奥行きが小さく、かつ蹴上の高さも低く緩傾斜。ついよちよち上り下りしてしまう。
写真(右)のように、コンクリート板が並べられている未舗装の細い路地にも階段はある。ここら辺はほとんど段差といってもよいレベルで、ごく小さな高低差にできた段々である。
高田馬場3-12-16・19 早稲田通り裏の階段
Photo 2006.2.3
さてこちらは、段数や踏み面の奥行きは似たようなものだが、蹴上がちょっと高い。しかもばらつきがあって、左端の街灯わきなどは40cm近い。また踏み面が右に傾斜して歩きにくく、クセがあるが、末広がりになる平面型など、特徴があって個性的な階段である。
高田馬場3-11 二階から入る住居
Photo 2006.2.3
末広がりな階段を下りたところは斜面の途中の道で、写真右側のように、更にもう一段の小さな崖になっている。このためこの道沿いの建物のいくつかは、二階から入れるようになっている。二階から入る家ってちょっと不思議な感じ。玄関を入ってから階段を下りて居間にたどり着くような家に、一度住んでみたい気がする。
高田馬場3丁目、早稲田通りから神田川の間には大した高低差は無いのかと思っていたが、意外にもこんな斜面地が存在しているのだった。
#階段・坂 新宿区