小松川リバーステーションで下船した後、ついでに東砂へ。Photo 2007.6.25
あまり知られていないことだが、江東区東砂3丁目の一部はもともと、同潤会の砂町普通住宅地だったところ。あまりこの地域には行く機会がなかったので、私も今回が初めての訪問。
地区に入った途端に、そこが計画的にデザインされた敷地割りであったことが分かる。わざと少しカーブさせて全てが見通せないようにした街路。建物が建て詰まってはいるが、通りの幅はそこそこあって、細街路がある密集市街地ではない。もちろん最近の施工なのだろうが、なぜかこの地区内だけインターロッキングブロック舗装になっているのも、ここの住宅地が他とは少々異なることを示している。
同潤会の普通住宅地は、郊外に造られた木造長屋形式の住宅地だそうだ。赤羽や十条のものが比較的よく知られていて、規模も大きい。東砂のそれは規模は小さいが、他の普通住宅地同様、地区の中程にメイン道路があり、小公園や集会所などが配され、郊外に最初から一つの町として計画されていたことが分かる。戦前に造られたこれらの資産のおかげで、現在も比較的整った住宅地となっているのが興味深い。
地区内を適当に歩いていたら、何軒か古い建物を見かけた。このお家は側面を見ると、増築されたことが分かる。赤羽や十条の木造長屋型建物は、もともとは断面が凸の字型だったそうで、2階部分の奥行き(幅)が小さい。写真の建物も2階の屋根が当初は小さかったようで、そこに緩い傾斜の屋根を持つ道路際部分の2階を増築したのではないかと思われる。小さな屋根の傾斜の具合や大きさが、赤羽や十条のそれとかなり似ているので、もしかするとこの建物は、戦前の生き残りなのかも知れない。聞き取りをしたり、資料を細かく確認したわけではないので、憶測なのだが、気になる建物だ。
引率していた関係で、あまり写真を撮ったりすることができなかったのが残念。メイン道路の南側も、行かずじまいになってしまったので、近日中にもう一度じっくり街を見てみたい。
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