「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

雛祭り、桃の節句

2006-03-03 07:20:53 | Weblog

戦前は東京のごく普通の家でも,にぎやかに雛祭りを祝った。
わが家でも、狭いながらも客間の床の間に三段の雛壇を置き
赤毛氈のうえに最低、内裏さま、三人官女,五人囃しの人形
ぐらいは飾ったものだ。

わが家から、雛祭りを祝う習慣がなくなったのは、34年前
北海道へ転勤で移ってからだ。札幌の家には雛壇を飾る床の間が
なかったし、娘たちも大きくなっていたというのが理由である。
その後再転勤で東京へ戻ってからも、雛祭りの習慣はわが家に
戻ってこなくなってなってしまった。

雛祭りで思い出すのは、昔はお雛様へのお供えものとして雛あられ
のほかに「金華糖」(このような字をかくのだろうか)があった。
竹の篭の中に入った鯛,はまぐりなど。砂糖でできた色あざやかな
お菓子であった。今もあるのだろうか。

わが家の雛祭りに限らず、東京では昔からの行事やお祭りが戦後
ほとんどなくなってしまった。一言でいえば、原因は生活の急速の変化だ、
と思うが残念である。責任は、戦後、昭和の時代を生きてきた、
我々の世代にあるのだが。(3・3・2006)