「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

東ティモールの青春

2006-03-25 07:56:13 | Weblog
東ティモールのアルカテイリ首相、ラモス・ホルタ外相らの一行が来日、きのう
東京の拓殖大学でシンポジウムがあった。僕も大学時代の学友と一緒にこれに出席した。
学友といっても年齢は僕より一回り上。戦争中一兵卒として東テイモールにいた。

アルカテイリ首相から国造りの現況説明があった。2002年に独立した世界で
一番新しい国である。長野県ほどの面積で、人口は東京の港区ぐらいだそうだ。
主な産業は農業、一人当たりのGNPは500米㌦弱という極貧国である。
このナイナイだらけの国を率いて3年、首相の話には苦闘がにじんでいたが、
一方では自信に満ちていた

僕の学友は60数年前のこの国を知っている。当時、この国はポルトガルの
植民地だったが、住民は僅かな農地にへばりつき”原始生活”同然の生活を
送っていた。日本軍は対岸のスラバヤから食糧を運んでいたが、戦争末期、海上が
封鎖された後は,島民に農業を指導、自給自足の生活だったという。

学友は現在86歳、アルカテイリ首相の話と自分の苦しかっ東ティモールでの
60余年前の体験とがオーバーラップして感無量という表情で、戦後生まれの
この新興国の政治家の話に聞き入っていた。