「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

同期の桜

2006-03-30 07:16:01 | Weblog
東京はいま桜が満開である。きのう病院帰りの旧友の
誘いで、近くの目黒川へお花見に出かけた。
コンクリートの護岸は風情はないが、両岸から競り
だした花のトンネルは見事であった。

友人とは昭和18年来の「同期の桜」である。戦争中は
空襲下、焼夷弾の雨の中を逃げまどい、動員先の工場では
空腹を抱えて秘密兵器の生産に当たった。戦後も戦後で
焼け跡整理に苦労した仲である。


貴様と俺とは同期の桜・・・・咲いた花なら散るのは
覚悟、見事散りましょう国のため
(西条八十・作詞 大村能章作曲 昭和19年ごろ)

動員先の軍歌演習でもこの歌も歌った。戦後60年
あまり、二人とも数えで喜寿の年を迎え、おたがいに
元気でいられる。あと5年早く、この世に生を受けて
いたら、この満開の桜を見ることが出来なかったかも
しれない。改めて平和の時代に感謝し、あの戦争で
散華された英霊に合掌する次第である。