「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          武道の必修化反対

2007-09-06 05:36:38 | Weblog
中央教育審議会の体育・保健部会で現在中学校の体育の選択制の武道を
必修化する方針を決め、平成23年度から実施するとのことだ。僕ら銃後の
青少年世代は、武道についてはあまり好い想い出はなく、反対だ。

戦時下の旧制中学校(女学校)では武道は教練、体育とならんで必修科目で
あった。教練とは将来、軍隊に入隊に入る時に備えての軍事教練、戦争末期
には女学校の生徒まで必修であった。武道は中学校では柔道か剣道のうちの
一つ、女学校では薙刀(なぎなた)か弓道のうちの一つを学ばなければならな
かった。

僕は柔道を選択したが、戦争末期には稽古場の畳が擦り切れていて、受身の
稽古をすると背中が痛く、冬の寒中稽古は特にひどかった。剣道を選択した連
中は、凶暴な教師にいつも理由もなく、竹刀で頭を殴られていた。今なら即時、
暴力教師として懲戒になるところだが。いずれにせよ、時世を反映して武道には
よい想い出はない。

現在の指導要綱によると、武道は柔道、剣道、相撲の三課目。女性の課目はな
い。今回の武道必修化の目的は、伝統文化の尊重だとのこと。確かに日本古来
の伝統文化が消えていっているのは、事実で残念だ。しかし、僕ら世代にとって
武道は戦争と結びつく嫌な記憶がある。今のように選択性でよいような気がする。
スポーツ医学の面からみても、武道は果たして適しているのか、どうかー。