「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      アウンサン・スー・チー家と日本

2007-09-26 04:59:58 | Weblog
ミャンマーといっても僕らの世代には馴染がない。やはり「ビルマの竪琴」の
ビルマの方がぴんとくる。そのビルマで10日ほど前から燃料値上げ反対に
端を発した反軍事政権デモが僧侶を中心に最大都市ヤンゴン(ラングーン)
で発生、他の地方都市へも飛び火して拡大してきている。”パゴダの国”と
いわれる仏教国のこの国では、僧侶は国民の尊敬の的だけに軍事政権も
対策に苦慮している。

現在のミャンマー軍事政権の”鎖国”政策のため、わが国との関係は薄い
が、もともとは緊密で1960年代から70年代にかけては、池田,佐藤、田中、
福田と4人の歴代首相がこの国を訪れている。

今回のデモの精神的支柱となっている最大野党の国民民主連盟(NLD)の
指導者、アウンサン・スー・チーさん一家も日本との関係が深い。彼女の父
親、アウンサン将軍は、ミャンマーでは”独立の父”として知られているが、
戦前の昭和15年、英国の官憲に追われ、日本の軍諜報機関(南機関)の
援助で日本に亡命している。滞在中は「ビルマ」の漢字名から名をとって
「面田紋二」を名乗り、東京や浜名湖の弁天島に潜伏していた。

スー・チーさんも昭和60年から61年にかけて京都大学東南アジアセンター
で、父親の日本での足跡を中心に研究している。

日本人にはミャンマー好きが多い。同じ仏教徒であり、従軍世代の中には
”戦友"的な親しみがある。昭和58年、僕はミャンマー政府からの研修員
15名を連れて、日本各地の研究施設を1か月ほど旅したが、すっかりミャン
マー・ファンになってしまった。現在の混乱が一日も早く解決することを祈
っている。