「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        流言飛語には踊らぬが、正しい情報を!

2011-03-16 07:22:21 | Weblog
昨日久しぶりに大手スーパーへ買物に行ったら老妻の言う通り売場からパン類が見事に消えていた。カップ・ヌードルなどの保存食からおにぎりの具も品薄、お米や卵まで便乗値上がりしていた。大地震と大津波後の現象だが、東電の「計画停電」も影響しているようだ。僕は38年前のあのオイルショックのさいのトイレットペーパー騒動を想起した。石油の値上がりからトイレットペーパーがなくなるという風聞に踊らされ、主婦が買いだめに走った時のことだ。

大地震と大津浪で破壊された惨状は、戦争中の空襲直後の焼野原よりもひどい。わが家は幸い直接、空襲の被害にはあわなかったが、当時の東京は空襲後1週間にわたって停電し、ラジオも聞けず新聞もなかった。配給米もなく代用食で空腹を抱えながら、交通機関がストップしたため、歩いて動員先の軍需工場へ通ったものだ。こんな体験をしているせいか、少しの事では驚かない。若い人のように根拠のない流言に踊ってパンの買いだめなんかには走らない。

それにしても東電の「計画停電」は無計画だ。わが家が属する第4群も2サイクル目に入り、区の広報車の伝達で停電を覚悟し、用意していたのに今朝もない。停電がないのにこしたことはないが、こんな基本的な電力予測さえ出来ないのだろうか。どうもこの会社には”お殿さま”的体質があるのではないだろうか。

東電が「計画停電」を発表したのは14日夜だったが、この日の午前、知合いから電力不足を匂わせるメールを頂き、ローソクや懐中電灯をあらかじめ買つていた方がよいと親切に知らせてくれた。この時点では、まだ僕は大地震がこれほどまでに電力不足に影響するとは頭がまわらなかったし、もちろん買いだめなどしなかった。

この国家的非常時がいつまで続くのか判らないが、どうも政府は国民への正しい情報伝達にかけている。消費者担当大臣がいるのだから、一言、国民に向かって”馬鹿な食品買いだめに走るな”と談話を発表すればいいのだが。