「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     被災地で活躍するインドネシア国籍の女医

2011-03-25 07:41:37 | Weblog
福島原発の30㌔圏内の田村市瀧根の介護老人保健施設「聖オリオンの郷」の施設長をされているインドネシア国籍の女医、田中リナさんと、昨日やっと電話で連絡がとれた。先生の話では幸い施設にいる約100人のお年寄りは全員無事、施設も地震による被害はなかったとのことだ。よかった。よかった。

田中先生は戦争中日本軍の軍属だった義父とインドネシア人のお母さんと一緒に戦後、幼児の時に来日、日本で教育を受け医大で博士号を取得、6年前から、ここ阿武隈山系の鍾乳洞で有名な滝根の老人施設でお年寄りの面倒をみている。

施設は厳密にいえば原発から34㌔だが、国から「屋内避難」地域なみに指定されたため、先生は、地震発生後3日間は、施設内に泊まりこみ、さらに数日前からは、県の要請で同じ被災地のいわき市平の病院から7人のお年寄りが避難してきた。施設は「屋内避難地」から4㌔外にあるため、時々先生は車で帰宅できるが、多忙でほとんど施設内でくらしているとのことだ。

小ブログ(今年2月10日)は、先生から滝根産のお米を頂戴した話を紹介し同時に先生から頂いたお手紙も紹介させて貰った。先生の故郷は、日本から遠いセレベス(スラウェシュ)である。滝根とは気候はまったく違う。しかし、自然の美しさと人々の人情は同じだと先生はいう。この原発事故の騒ぎがいつまで続くのだろうか。一日も早く滝根が本来の静けさを取り戻し、鍾乳洞が観光客で賑わう日が来るのを祈ってやまない。