「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       80老のインドネシア独り旅(5)「菊正宗」

2011-11-26 06:15:19 | Weblog
インドネシアではジャカルタなどの大都会は別としてビール以外の酒(Minuman keras)はなかなか手に入らない。それどころかイスラムの戒律に厳しいアチェでは、ホテルに酒を持ち込んだだけで犯罪である。晩酌がくせになっている僕のような旅人は、あらかじめ用意しておかないと、折角の美味しいインドネシア料理の味が半減してしまう。今回の旅では、ジョクジャのような観光地ではスーパーへ行けば売っているだろうと思ったら間違いだった。

味気ないトマングンの夜を覚悟していたら"神のお恵み”か、なんとプルノモさんから「菊正宗」の特級酒四合ビンをプレゼントされた。誰か以前にプルノモさん宅を訪れた日本人が寄贈したものだろう。教室に教材として置かれてあったものらしい。有り難く頂戴したが、酒を飲む習慣のないインドネシア人に対して、日本から重い思いをして、お土産に酒を持参する奇特な人もいるものだ。

僕が言いたいのは、解かっているようで、まだまだ日イ双方の草の根の相互理解となると欠けていることが多いことだ。特に日本人のイスラムについての理解がたりない。日本国内でのことだが、国際研修施設でイスラム教徒の研修員の朝のお祈りの声がうるさいと部屋のドアーを蹴飛ばした、日本人がいた。逆に来日する回教徒の若者の中には、日本にも自国と同じようにどこにもモスクがあると思っている者もいる。

プルノモさんは僕との話し合いの中で、日本から若い人たちをトマングンに呼び、逆にトマングンの青年を日本に派遣する計画は、どうかと提案してきた。もちろん計画については大賛成である。しかし、残念ながら実行に移すとなると難しい。だけど、プルノモさんの提案の中で、トマングンでは百万ルピア(約1万円)もあれば、1か月三食つきでホームステイできるという話に興味を持った。現地の人と同じ生活のホームステイだから決して贅沢なものではない。しかし、直接現地を理解でき、こんなに勉強になることはない。
(写真は現地の一般的なトイレ。マンデイ(水浴び)用の水溜めでトイレの水も流す)


n