「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

遠くなりけり 「明治節」の祝日

2014-11-03 05:57:03 | Weblog
今日11月3日は「文化の日」、国民の祝日である。といっても戦前昭和の時代に育った世代にとっては、「文化の日」よりは「明治節」の方が懐かしくぴたりとくる。”アジアの東、日出ずる処、聖の君の現われまして”で始まる「明治節」奉祝歌は戦後70年経った今でも歌詞なしでも歌える。

「文化の日」は昭和23年の祝日法改正で”自由と平和を愛し文化をすすめる”趣旨で制定されたもので、明治天皇の誕生日であった「明治節」とは直接関係がない。11月3日が「文化の日」なのは、戦後の昭和21年、新憲法が公布された日だからと、ウイキぺディアでは説明している。

”明治は遠くなりにけり”という言葉が昭和の時代よき聞かれた。明治34年(1901年)生まれの俳人、中村草田男が昭和6年(1931年)の大雪の日、東京港区の母校を訪れた際詠んだ「降る雪や明治は遠くなりにけり」に由来している。草田男30歳の時の句である。戦後「明治節」が廃止になってから、すでに70年近い歳月が流れている。「明治節」も遠くなりけり、である。

平成17年の「祝日法改正」で、昭和天皇の誕生日であった4月29日が「”激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に想いを馳せる”として「昭和の日}として制定された。しかし、一方、わが国を近代国家として発展させた明治天皇の誕生日11月3日は、たんに漠然と「文化の日」とされたままである。”ハッピ―・マンデイ”法で、休むだけが目的の祝日が増えているが、、やはり「昭和の日」があるのなら「文化の日」の名前を「明治の日」と変更し、明治の御代に想いをはせてもよいのではないかー。