「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

老人患者から見た超高齢化社会の医療の現実

2014-11-23 06:42:11 | Weblog
今回、再び大腸がんの手術で二週間、国立病院に入院するはめになった。入院は昨年12月のの左膝関節置換手術についで二度目、生まれてから数えると九度目だが、改めて、日本の超高齢化社会の医療の最先端の現実を身をもって体験、今後さらに加速化される、わが国の老人医療制度の問題点について老人患者の立場から病床で考えてみた。

今回、僕は手術前の予備入院3日を含めて病院に15日間入院したが、最初の3日間入院した4人病室のうち二人は「認知症」患者で、一人は自分が、今どこにいるのかさえ、解らないようで、夜通し奥さんの名前を呼び続けていた。もう一人の患者は、どういうわけか身に着けている”おしめ”をとってしまい、そのあとナースコールで看護婦さんを呼び続ける。病室は相い身互い、たいがいの事は我慢するのが常識だが、手術後、こんな環境下で治療に当たられるのは厳しく思われたので、あえて、我がままをいい、手術直後の夜と次の二日間は個室の予備病室に移して貰った。

僕がお世話になった東京の国立医療センターは、「認知症患者」に対する特別な対応”ユマニチュート”療法で知られる病院のためか、看護スタッフの「認知症患者」に対する応対は抜群であった。しかし、僕の目からみれば、「認知症患者」は病人だから仕方がないが、その家族のなかには「認知症」をよい事に患者を甘やかせ、病院に隠れて病室で間食にアイスクリームを与え、看護師から注意されたりしていた。何のための入院なのかわからない。

半月間入院して大治療を受けたにもかかわらず、僕が病院に支払った医療費は、変な例えだが、東南アジア3泊4日のパッケージ観光旅行の費用ととさして変わりがない。実際にかかった費用の1割にすぎない。世界中で、こんなに医療費に恵まれている国は世界でも多分ないだろう。病室で食べる病院食も下手なレストランよりも美味で健康食であり、さらに3キロ減量に成功した。

こんなことを言うと、大方の世論から袋叩きにあいそうだが、現在の世界に冠たる老人医療制度を維持するためには、消費税の10パーセントの国民負担もやむをえないと僕には思えるのだが。