「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

黄葉しない?品川寺の大銀杏

2014-11-29 07:33:43 | Weblog
江戸時代から”竈(かまど)の神様”と知られる品川の荒神さんの秋の例祭に出かけた後、近くの同じ東海道筋にある真言宗醍醐派の古刹、海照寺(品川寺)にも快気祝をかねて参詣した。品川寺は古刹が少ない東京では珍しく大同年間(9世紀)の建立と伝えられ、江戸城開基の太田道灌が建立したと伝えられる。

広い境内には その古い歴史を物語る大銀杏が残っている。樹高25メートル、樹間5.35メートルもあり、樹齢600年ともいう。東京は今、銀杏の”黄葉”が真っ盛りで、明治神宮の並木はライトアップされ夜まで人で賑わっている。さぞかし、品川寺の大銀杏の黄葉も見事だろうと、期待していたが、何故か黄葉は始まっておらず、まだ緑の葉さえ残っている。

品川寺の門前には東海道に面して、露座の大仏が鎮座している。荒神様の春秋の例祭時には、大仏様の前で善男男女にお線香が売られ、昔は銀杏(ぎんなん)が”厄除け開運”として売られていたが、ここ数年は、その姿がない。寺のお坊さんに聞いたところ、年々、大銀杏の黄葉の時期が遅くなり、銀杏の数も減ってきて、売るほどの数が集まらないのだという。

退院してまだ1週間、初めての外出で多少疲れたが、昔からのお祭りは好いものだ。この秋、二人仲良くガン手術のお世話になった僕ら老夫婦は、二人の快気に感謝して、深まる秋の一日、人生の秋をかみしめながら、古刹参りの一日を過ごした。