「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

多発する老人の転倒事故

2015-12-02 06:00:29 | 2012・1・1
「ゲゲの鬼太郎」の作家水木しげるさんが多臓器不全のためなくなったが、その死の引きガネになったのは自宅での転倒だという。これを知って他人事ではないと思ったのは僕だけではないと思う。僕ら老人が集まると、自身が転倒した話や仲間が転んだ話ばかりである。それほど老人の転倒は身近な問題だ。

先日、僕は二日続けて老人の転倒に出くわした。一人はバス停前の整形病院前で、高齢の女性が突然、目の前で転倒,仰向けに倒れ後頭部を打ち意識を失った。すぐに救急車で運ばれたが、病院前の健常者ではなんでもない落差に躓いたらしい。もう一人は、僕が病院の待合室で診療を待っていると、顔中血だらけの高齢の男がタクシーで運びこまれてきた。転倒して道路に倒れていたところを発見されたものらしいが、多少認知症なのか言っていることに整合性がない。

東京消防庁の調査によると、平成22年から26年まで5年間に、救急車で医療機関に30万人が運びこまれているが、一番多いのは高齢者の転倒事故だという。また内閣府の「高齢者対策」調査によると、65歳以上の高齢者の転倒事故の10.6パーセントは自宅で起きている。僕は2年前、膝に人口関節を入れ、身障者4級に認定され、それに基づいて自宅の階段や風呂場、トイレを補助金を頂いて大幅にリフォームした。そのお蔭で事故もなく生活しているが、それでも筋力、視力など弱ってきており、転倒しない様細心の注意を払っている。

転倒すれば、水木さんのように死への引き金になるケースもあるし、そのまま歩行ができなくなり、寝たきりになってしまう。身障者だけでなく、ある特定の条件を満たせば、高齢者には転倒防止のための住宅リフォーム補助金制度があってもよいのではないだろうか。