「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

大丈夫なのか 慰安婦問題の”不可逆的”な合意

2015-12-29 06:16:51 | 2012・1・1
慰安婦問題をめぐる日韓外相会談が”めでたし、めでたし”で終わった。合意した内容を見ると、戦争を多少なりとも体験している僕にとっては、何故これまで謝罪するのか解らない。合意内容は”最終的かつ不可逆的なものだ”とある。不可逆という言葉は広辞苑にはない。可逆を参照とあり”逆もどりしうること”とある。その可逆に「不」がついてあるから、”逆もどりしえない”という意味で岸田外相は使用したのであろう。

広辞苑によれば、もともと「可逆」という言葉は理学用語で”摩擦や抵抗のない理想的な変化は可逆変化であるが、実際の変化はすべて不可逆的である”とある。岸田外相が、この意味を本当に知って使用したかどうかは解らないが、なかなか示唆に富んでいる。”不可逆的ということは抵抗や摩擦があるということだ。その一つはソウルの日本大使館前にある慰安婦像である。尹韓国外相は移転するよう努力するが、撤去するとは言っていない。慰安婦像がある限り本当に問題が解決されたといえない。

最大の問題点は、韓国側が約束を履行するかどうかである。例えばまだ記憶に新しいが、今年6月東京で行われた岸田、尹外相会談で、尹外相はユネスコでの日本の明治遺産登録について、はっきりと反対しないと明言しながら7月のボンの会議では、韓国側は最後の最後まで反対をし続けて自国の主張を世界に発信した。

朝鮮半島に住む人たちは約束を破ることは何とも思わない習癖があるように思われる。欧州の旅行業界では、韓国の観光客はドタキャンが多く要注意だといわれているそうだ。加齢とともに”老婆心”が強くなってきたこともあるが、10億円まきとられて、元の木阿弥にならなければと心配している。