「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

曲り角に来ている外国人技能実習制度

2015-12-04 06:34:48 | 2012・1・1
人出不足の解消と途上国の人材育成を兼ねて1993年に創設された技能実習制度が曲がり角にきている。JITIC(国際研修協力機構)にいよると、現在16万7千人の外国人実習生が日本国内各地の71職種1300作業現場で働いているが、実習生、実習先相互の制度への無理解から、無断で職場から失踪する実習生が続出している。JITICは今年10月,「技能実習生行方不明者防止策」を関係先に配布しているが、1月の時点で職場を”脱走”し不法滞在している実習生は4679人で全体の7.8パーセントに上っている。

5000人に近い外国人が不法滞在しているというのは、国際テロが横行している観点から由々しき問題である。実習生制度は、転職を禁じており、彼らは、生活するために国内のどこかに潜み不法労働しているに違いない。実習生制度は、失踪した実習生の一方的な言い分だけを聞き、外国のマスコミの中には、過酷な労働条件の下で過勤料を支払わず”奴隷”労働だとの批判も現れて来ている。

安倍内閣は先の安保関連法案を可決した国会で、この技能制度制度を改革して、現行の実習滞在期間3年を5年にすることを柱にした法案を可決する予定だったが、時間がなく継続審議になった。都会に住んでいると、実感がないが、地方の農漁村や建築現場では深刻な人出不足である。介護士については、今、この制度とは別な経済連携協定に基づき、インドネシア、フィリピン、ベトナム三国から来日しているが、これを実習制度の職種にしようという動きもあるそうだ。

少子高齢化により、わが国の人出不足は始まってきている。移民の可否も論じられてきているが、技能実習制度の現状一つ取ってみても早急な入国管理法の整備が必要である。