淡谷のり子 雨のブルース 1978
Kenさまのご祖父さまが本を出版なさっていたことを知ったのは、メッセージ機能で私のところにメールを頂いた時、ご祖父さまが危篤、すぐに帰国するというお知らせを受けたその文だった。
私は急いで返信を書いた。神社に参拝し、Kenさまがご祖父さまに「海ゆかば」「会議は踊る」を歌うのがどうか間にあいますように祈ります、という内容で、すぐに神社に行き、お祈りしたあと、この本をアマゾンに申し込んだのだった。
さっき、夜にこれが届いた。
もう絶版だったが幸運にも入手できた。1982年に初版、同年第2版のこの本が出版されている。
届いたばかりなので全部は読めていない。
ところどころ読んでみる。1917年生まれ 昭和17年1月、海軍軍医中尉任官、
水雷艇「鵯(ひよどり)」乗組その他経歴があった。
そしてふと目についたのが、15ページ「17年の暮、ラバウル出航。帰りの船団を護衛してフィリピン東方のパラオに向かう。大晦日の夜、コロール島上陸。
雨がパラパラ降ってきた。
突如、兵隊の列から歌声があがった。
当時は軟弱な歌として禁止されていた淡谷のり子の『雨のブルース』であった。
一緒に上陸した兵科、機関科の士官も、そのうち合唱に加わった。
今にしてこの歌を歌う、これこそが小さな「鵯(ひよどり)」の強さではないかと、私はしみじみ感じたものである。
帝国海軍にはあるまじき堕落であると海軍のお偉方はにがい顔をするかもしれない。
まだご紹介したいところがいくつもあるが、今日はこれだけに。
ただ万感のおもいである。
また、軍医として日本軍兵士に薬もなく、脈をみるだけでなすすべもない苦しさもお書きになっている。
まだ若い兵士が「家族に会いたい」と瀕死の状態で涙を流すところなど・・・。
本来はKenさまがご紹介なさるところと思うので、ここで終わる。
ただもうひとつだけ、ドキッとしたことを。
それは複数の兵士が大きな明るい光を見たことである。
「キリスト」という人もいれば、・・・私の町の人のように神功皇后という人もいるだろう・・・それは「生きのびよ」という光だったように感じた。
Kenさまとは音楽を通じてブログで語り合った。もちろんお会いしたこともない。
でもこの本に書かれていることは、声楽家Kenさまに私が「胆力ある美声」と聴きとるような、ご祖父さまや東郷元帥や神風連のようなご先祖の精神的な支えが音楽に大きく伝わっているように思う。
日本の若きホープ、たぐいまれなヴェルディバリトンとして、素晴らしい「胆力ある美声」を聴衆に届けて頂きたく、それが「歌の使命」と思う。
Bella Cantabile
Kenさまのご祖父さまが本を出版なさっていたことを知ったのは、メッセージ機能で私のところにメールを頂いた時、ご祖父さまが危篤、すぐに帰国するというお知らせを受けたその文だった。
私は急いで返信を書いた。神社に参拝し、Kenさまがご祖父さまに「海ゆかば」「会議は踊る」を歌うのがどうか間にあいますように祈ります、という内容で、すぐに神社に行き、お祈りしたあと、この本をアマゾンに申し込んだのだった。
さっき、夜にこれが届いた。
もう絶版だったが幸運にも入手できた。1982年に初版、同年第2版のこの本が出版されている。
届いたばかりなので全部は読めていない。
ところどころ読んでみる。1917年生まれ 昭和17年1月、海軍軍医中尉任官、
水雷艇「鵯(ひよどり)」乗組その他経歴があった。
そしてふと目についたのが、15ページ「17年の暮、ラバウル出航。帰りの船団を護衛してフィリピン東方のパラオに向かう。大晦日の夜、コロール島上陸。
雨がパラパラ降ってきた。
突如、兵隊の列から歌声があがった。
当時は軟弱な歌として禁止されていた淡谷のり子の『雨のブルース』であった。
一緒に上陸した兵科、機関科の士官も、そのうち合唱に加わった。
今にしてこの歌を歌う、これこそが小さな「鵯(ひよどり)」の強さではないかと、私はしみじみ感じたものである。
帝国海軍にはあるまじき堕落であると海軍のお偉方はにがい顔をするかもしれない。
まだご紹介したいところがいくつもあるが、今日はこれだけに。
ただ万感のおもいである。
また、軍医として日本軍兵士に薬もなく、脈をみるだけでなすすべもない苦しさもお書きになっている。
まだ若い兵士が「家族に会いたい」と瀕死の状態で涙を流すところなど・・・。
本来はKenさまがご紹介なさるところと思うので、ここで終わる。
ただもうひとつだけ、ドキッとしたことを。
それは複数の兵士が大きな明るい光を見たことである。
「キリスト」という人もいれば、・・・私の町の人のように神功皇后という人もいるだろう・・・それは「生きのびよ」という光だったように感じた。
Kenさまとは音楽を通じてブログで語り合った。もちろんお会いしたこともない。
でもこの本に書かれていることは、声楽家Kenさまに私が「胆力ある美声」と聴きとるような、ご祖父さまや東郷元帥や神風連のようなご先祖の精神的な支えが音楽に大きく伝わっているように思う。
日本の若きホープ、たぐいまれなヴェルディバリトンとして、素晴らしい「胆力ある美声」を聴衆に届けて頂きたく、それが「歌の使命」と思う。
Bella Cantabile