ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ワーグナーの唯一のライヴァル、それは同年生まれのイタリアのヴェルディしかいない。

2016年01月28日 | オペラ

★ このヴェルディのオペラは大変な衝撃であった。
そしてシモンを歌う巨匠カップッチッリの晩年の名唱に震えるほどの感動を得ました。
ヴェルディのバリトンは「アッティラ」のエツイオ、「ドン・カルロ」のロドリーゴ・ポーザ卿のように、
その優れた声や技巧だけでなく「一身をかけて歌うヒロイックな」ところがあります。ミラノスカラの実演の動画をどうぞ。

Verdi - Simon Boccanegra 1975 - Abbado Scala



★ 都市国家ジェノヴァは2つに分裂し、またライヴァルの都市国家であるヴェネツイアと不和な状態だった。
これは史実であり、総督シモンは実在の人物である。

ジェノヴァは内乱を繰り返してきた。総督のシモン・ボッカネグラは民衆を説得する。
シモンには20世紀後半イタリア最高のバリトン、カップッチッリが歌う。(シモンの娘を歌うのはソプラノのフレーニ)


【民衆】
復讐だ!復讐だ!
凶悪な殺人者の血を撒き散らせ!


【総督シモン・ボッカネグラ】 
(皮肉に)
これが民衆の声なのか?
遠くでは嵐の雷鳴のようであったが 近くでは
女と子供の叫びではないか アドルノよ
なぜ剣を振るう?

★ youtubeはここからです。
ジェノヴァの分裂と内乱を防ぎ、地中海周辺やアラブの脅威から護ろうとします。


【総督シモン・ボッカネグラ】
(力強く)
兄弟殺しよ!
平民たちよ!貴族たちよ!引き継ぐ者たちよ
恐ろしい歴史を!
憎しみの相続者よ
スピノーラとドーリアの
幸せに諸君を招いているというのに
この広い海の王国が
諸君はこの兄弟の地で
互いの心を引き裂き合っているのだ
諸君のために私は泣こう 穏やかな
諸君の丘の上の光のもとで
そこでは空しく芽吹いているのだ
オリーブの枝が
私は泣こう 偽りの
諸君の花の祭のために
そして私は叫ぼう 平和を!と
そして叫ぼう 愛を!と



コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワーグナー「マイスタージンガー」(ナチスに利用されたワーグナーの名作オペラ)

2016年01月27日 | オペラ

今、ワーグナーの後期の名作『ニュルンベルグのマイスタージンガー』全編のワーグナーの書いた歌詞を読んでいる。
ワーグナーは作曲だけでなくその歌詞もすべて自作であり、大変な天才だった。

なぜ今頃?というと、私は若気の至りで(今は反省し「再勉強中」)20代の後半からワーグナーを歌わなくなった。
同時にドイツ語の辞書も捨てた。(今は新しく買った)
その時の原因はあのヒトラーがワーグナーのオペラを愛し、ナチスの旗のもとで演奏させたということを知ったから。
そしてワーグナーの一部の子孫がヒトラーと共にそれを支持したことからだった。

しかしワーグナーの音楽はそれでも魅了し続けた。私は相反する思いに長年悩んだ。
そこでワーグナーの最高作品である『ニュルンベルグのマイスタージンガー』について勉強することになった。

登場人物は靴屋の親方ハンス・ザックス、貴族の青年ヴァルター、口うるさい市の書記ベックメッサー、金細工師のポークナー、その娘のエーファ、などが登場。
高潔な「親方」ハンス・ザックスをヒーローとして楽しい物語であるが、フィナーレはハンス・ザックスの「たとえ神聖ローマ帝国が露となって消え失せようとも、神聖なドイツの芸術は変わらず、我らの手に残るでしょう」という歌詞に続き合唱が「万歳!ザックス!
ニュルンベルグの尊いザックス!」で幕となる。

この高揚感、愛国心の連呼に後の世のヒトラー、ナチスがこれを利用してドイツの民衆を熱烈にたき付けたと思う。
もしそのことがなかったら、このオペラは作品を誤解されることはなかっただろう。

「愛国心」を歌うのはワーグナーの生涯を通じてのライヴァルであったヴェルディはこれどころではない。
ヴェルディのオペラは「祖国」「祖国」「祖国」の連発である。パートリア、パートリア、パートリアと・・・。


ところで、この「マイスタージンガー」の重要人物で金細工師のポークナーの歌詞を読んでいて、
これは!と私の長年の思い込みが解けたのだった。
ポークナーもハンス・ザックス同様、高潔な人物とされている。

第一幕第3場にてポークナーはこのように歌っている。

「このドイツの国を幾度も旅して、しばしば心を痛めたことは、我々市民の評判の悪さです。
市民はケチで意固地だともっぱらの噂!

尊い宮廷でも貧しい民衆のところでも、飽きるほど厳しい非難を耳にしました。
取引と金銭にしか、市民の目は向いていないと。
広いドイツの中でまだ私たちだけが芸術にいそしんでいることなど、彼らの眼中にはないも同然です。」


ここで言う「市民」とは裕福な職人ら中流階級であろう。
それが宮廷や貧民からも顰蹙をかっているということである。

このポークナーは多分ユダヤ人であろうと思われる。(私の判断だが)
彼の人格や知識は多くの人に敬意を受けている。
ワーグナーは筋を通すことはビシッと通しているのであった。
もちろん、ワーグナーはユダヤ人を激しく非難する文も書いている。
もうこれは「ユダヤ人云々」ではなくて、今のドイツと同じではないかと思うと理解もしやすい。
異民族に対してどうにも相容れない実情でもあったと思う。

しかしワーグナーは後世にまさかナチスに利用されるとは夢にも思っていなかっただろう。

ではワーグナー『マイスタージンガー』から「前奏曲」もちろん指揮はフルトヴェングラー、さすが・・・。
Wilhelm Furtw�・ngler "Overture" Die Meistersinger von N�・rnberg 1943


しかし、『マイスタージンガー』で最も美しいのは、青年貴族ヴァルターの歌合戦優勝の場面の歌でしょう。
★ ところで下記の動画は1943年、ワーグナー『マイスタージンガー』の貴重な録音。勿論ナチスの時代である。

偉大な指揮者フルトヴェングラーについてはユダヤ系の楽員を亡命させながら、危ない橋を渡りつつまたドイツ音楽を護るため、
汚名を受けながらも演奏。どんな思いだったろう。またこの時ヴァルターを歌った名歌手ローレンツの妻はユダヤ系であり、一切を語らずローレンツ夫妻を護った。

では「真正」のヘルデン・テナー(英雄的な声)であるローレンツの貴重な録音、『マイスタージンガー』から「朝はバラ色に輝いて」
これは堂々たる名唱である。ワーグナーの伝統的唱法であり、今ではもはや他に聴くことができない至高の歌が心に迫る。.
「ローレンツこそドイツの英雄的な声です」と絶賛された。現代のワーグナー歌手にはこのような重量級の声は見られない。

100 Singers - MAX LORENZ 1943年録音



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

激怒ブチギレした青山繁晴!安倍首相をボコボコ!拉致問題が進展しない卑劣な理由を強烈暴露!

2016年01月26日 | 政治

★ 有本香氏、青山繁晴氏が語る。 (約12分)

激怒ブチギレした青山繁晴!安倍首相をボコボコ!拉致問題が進展しない卑劣な理由を強烈暴露!


青山繁晴が予言!2017年に国民戦線の党首マリーヌ・ルペンがフランス初女性大統領に成りEUが崩壊する



★ 下記の動画は有名なチャップリンの「独裁者」をパロディにしたものです。
ネットで出回っていたので


日本国民に告ぐ、安倍内閣の正体






ブログのティータイム



ブラームス - 交響曲第3番~第3楽章

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

文明論的な見地からテロを論ず 西部邁ゼミナール、昨日の三宅博・西村真悟両氏の講演その他

2016年01月25日 | 桜「討論」・西部ゼミナール

文明論的な見地からテロを論ず 西部邁ゼミナール2016年1月24日放送


「近代主義という底なし沼」に陥っている世界。
西部先生のこの番組は左派の人も出てきて、お互いに尊重し合って話をすすめている。
結局、西部先生の深いお話が勝るのだけれど。
本日は「テロ」の問題。

「フランス革命は巨大なテロ」「ロシア革命もそうである」「アメリカもそう」ついに「明治維新も・・・」
「俺ひとりだったら『老人テロ』でもやってみるか」
西部先生のユニークなお話が聴きもの。頭の体操になる?





★ 昨日は三宅先生・西村眞悟先生のお話を伺った。
  三宅先生のお話は今までをさらに大きく超えた内容で、抽象的でなく危機そのものを真正面から切り込んだ内容だった。この動画はUPされるのだろうか・・・。
満員の会場を見回したところビデオの三脚は見当たらなかった。
音楽で言えば西村先生はワーグナーなら三宅先生はヴェルディだ。

ヴェルディの多くのオペラではヒーローは国家の盾となり、たとえ味方のはずの背後が「敵より悪質」であっても、一身にそれを受け、ヒロイックに生きる。苦悩を背負いながらも強く生き抜くのだ。

ワーグナーは、たくましく神がかり的な英雄伝説をストーリーに持ち、敗北し滅亡する運命を甘んじて受け入れる。
またそれが人間の力ではどうにもならない「さだめ」でもある。(古代ギリシャ悲劇もそうしたところがある。)
それを音の渦巻のような分厚いオーケストラがライトモティーフに導かれながら展開する。(例外もあるが)

ところで西田昌司参議院議員の「日韓合意」についての動画は、聴いていて苦痛だった。
残念ながらこれはヴェルディでもワーグナーでもない。音楽ではあらわすことはないだろう。

西田議員の話はどうか判定をしかねる。
自民党内でこのような状況にあり、今までの功労も顧みられず、主君の劉邦に滅ぼされる「国士無双」の韓信なのであろうか。
韓信は主君の劉邦をその「背水の陣」をしいてまで成就させた。しかし劉邦は韓信を用心し韓信は謀反を賢者にすすめられるが、劉邦に阿ってしまう。それが悲劇になった。

自民党がどんな状態にあるのか、あの桜田議員の「慰安婦問題」発言を封じてしまったことに、
おかしな雰囲気を感じる。


★ 西部先生のお話の「走り書き」は、今日は疲れたので省略。



ブログのティールーム


★ これは貴重な映像と音声です。1934年といえば・・・ナチスの勢いが強い頃
このころの名歌手の素晴らしさ、伝説的なテノーレであるローレンツ、優れたソプラノのフリーダ・ライダー。
ワーグナー『神々のたそがれ』から名場面です。

Bayreuth Live 1934 ワーグナー『神々のたそがれ』より 1934年バイロイト


★ このころ、フルトヴェングラーと親しい日本の指揮者、近衛秀盛氏がユダヤ人を助けたことが最近の本で出ています。
近衛秀麿は時の首相の母親違いの弟になります。(秀麿氏は後妻の子)

日本人としてベルリン・フィルを初めて指揮した近衛秀麿氏。
『戦火のマエストロ・近衛秀麿~ユダヤ人の命を救った音楽家』
ナチス政権下のドイツで、タクトを振り続けた日本人指揮者Maestro Konoye―。本書は、近衛秀麿にまつわる、次の三つの「謎」に光を当てる。一、ドイツを拠点とした「音楽活動」に秘められた謎。二、ユダヤ人の救済という「人道活動」に秘められた謎。三、終戦直前、アメリカ軍捕虜となった背景に秘められた謎。音楽家は、戦火の欧州をいかに生き抜いたのか―。その波乱に満ちた壮絶な生き様が明らかになる。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪維新のヘイトスピーチ規制条例と橋下徹を痛烈批判!百田尚樹・たかすぎしんさく両氏

2016年01月23日 | 政治

百田尚樹、大阪維新のヘイトスピーチ規制条例と橋下徹を痛烈批判!
ヤバ過ぎる問題点と特定の組織だけが得をすると意味深な発言・・・?




★ 次はおなじみの「たかすぎしんさく」さんの電凸です。

言論封殺の大阪市のヘイトスピ-チ条例、 大阪市人権企画課に電凸

たかすぎさん、ありがとうございます。

24日は大阪で「日本のこころを大切にする党」の講演を聴きに行きます。
雪や暴風など悪天候が予報されていますので、細心の準備をします。


ブログのティータイム



メンデルスゾーン『歌のつばさに』 ソプラノはヴィクトリア・デ・ロスアンへレス





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする