カズオ・イシグロの小説は英国ではとても人気があるようで、「ホリデーに持ってきたい本」などの新聞の書評欄とかでよく目にするので、一度、読んでみたいと思っていた。本書は2010年に映画化されており、Carey Mulligan, Keira Knightley見たさに、昨年、私も見ているのだが、予備知識ゼロかつ英語(字幕なし)と言うことで、全くストーリーについていけなかった。今回、やっと日本語訳が手に入ったので、原作を読んでみたのだが、初めて話の中身が分かった。
ストーリーは、紹介すること自体が、ネタばれになるので、とても書きにくい。大胆に要約すると、ボーディングスクール風の理想的な環境だが、特殊な目的を持った学校で、寝食をともにして育った男女3人の成長、友情、愛、死の物語である。物語の背景にある現実を離れた特殊な状況設定をもってSF小説に分類する向きもあるようだが、科学的SF小説というよりは、SF的な特殊環境をもとにした人間や社会について探求した小説。
扱うテーマは重いが、主人公の視点で語られるこの物語は、その冷静で淡々とした語り口のために、人により好き嫌いが分かれるかもしれない。私自身は、読んでとても良かったと思った。人の感情の機微を丁寧に追いかけるこの小説は、大切な友人や恋人に対する気遣いや人間の尊厳について考えさせられる。
もう一度、映画の方も借りて見てみることにしたい。
ストーリーは、紹介すること自体が、ネタばれになるので、とても書きにくい。大胆に要約すると、ボーディングスクール風の理想的な環境だが、特殊な目的を持った学校で、寝食をともにして育った男女3人の成長、友情、愛、死の物語である。物語の背景にある現実を離れた特殊な状況設定をもってSF小説に分類する向きもあるようだが、科学的SF小説というよりは、SF的な特殊環境をもとにした人間や社会について探求した小説。
扱うテーマは重いが、主人公の視点で語られるこの物語は、その冷静で淡々とした語り口のために、人により好き嫌いが分かれるかもしれない。私自身は、読んでとても良かったと思った。人の感情の機微を丁寧に追いかけるこの小説は、大切な友人や恋人に対する気遣いや人間の尊厳について考えさせられる。
もう一度、映画の方も借りて見てみることにしたい。