その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロイヤルオペラ 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

2012-01-13 01:25:16 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 年末からやっていたパッパーノが振る『ニュルンベルクのマイスタージンガー』に1月8日の最終日の公演に行ってきました。既にいろんな方のブログ記事が載っていますので、簡単に。

 季節がら代役が絶えない公演になっているようですが、最終日もやっぱり一人歌えない人がいました。歌合戦の賞品エファ役のEmma Bell。演技のみの口パク出演でした。舞台袖で代役のソプラノが立ったのですが、残念ながら名前が聞きとれず不明なのですが(誰か知っていたら教えて)、この代役が思いのほか綺麗なソプラノであんまり口パク+舞台袖からの歌唱という違和感は殆ど感じずにすみました。

 サイモン・オニールのヴォルターは良くないというような記事もありましたが、この日は前半ちょっと調子が出ていないような感じもしましたが、徐々に調子を上げ、3幕の「ヴァルターの栄冠の歌」などは透き通るようにホールに響く感動的なテノールでした。

 存在感では、やはり主役のザックス役のWolfgang Kochと脇役のDavid役のトビ―・スペンスが良かった。Kochは歌よりも演技の重量感が何とも舞台全体を締めていたし、その弟子役のトビ―・スペンスは溌剌とした靴職人見習いを演じ、かつそのテノールも美しい。

 もちろんパッパーノ指揮のワーグナーは、時に雄大で、時に甘美でうっとり。演出も幻想的で、特に素晴らしいとも思わなかったですが、不満はありません。

 ただ、やっぱり休憩入れて総時間5時間45分はちょっと長すぎるでしょ。3幕だけで2時間もあり、あまり休憩時間に体を動かさなかった私は、途中から腰が痛くなって、見ながら体をくねくねさせほぐさないと、とても見てられない状態に。隣の人に迷惑をかけているのを承知しながら、「オペラハウスでエコノミー症候群になったらどうしよう」と本気で自分が心配になりました。お正月にミュージカルを集中的に見たおかげで、あの速い場面展開がまだ残像として残っていた私には、正直、かなりこのオペラは冗長なものに映ってしまったところがあるのは事実です。その分、観終わった後は、「見切ったぞ~」というわけのわからない満足感、充足感もありましたが・・・。

(大活躍のトビー・スペンス)


(中央の黒の服がエヴァの代役歌手)


(パッパーノも入って・・・)




Die Meistersinger von Nürnberg
Sunday, January 08 3:00 PM

Credits
Composer: Richard Wagner
Director: Graham Vick
Designer: Richard Hudson
Original lighting design: Wolfgang Göbbel
Movement: Ron Howell

Performers
Conductor: Antonio Pappano
Hans Sachs: Wolfgang Koch
Walter von Stolzing: Simon O'Neill
Eva: Emma Bell
Sixtus Beckmesser: Peter Coleman-Wright
Veit Pogner: John Tomlinson
David: Toby Spence
Magdalene: Heather Shipp
Kunz Vogelgesang: Colin Judson
Konrad Nachtigall: Nicholas Folwell
Fritz Kothner: Donald Maxwell
Hermann Ortel: Jihoon Kim§
Balthazar Zorn: Martyn Hill
Augustin Moser: Pablo Bemsch§
Eisslinger: Andrew Rees
Hans Foltz: Jeremy White
Hans Schwarz: Richard Wiegold
Nightwatchman: Robert Lloyd

Chorus: Royal Opera Chorus
Orchestra: Orchestra of the Royal Opera House

コメント (2)
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