以前の記事でご紹介した 『100のモノが語る世界の歴史』シリーズの第2巻です。本巻では、紀元前300年から紀元後1500年までのモノ35品が解説されています。第1巻同様、大英博物館長のニール マクレガー氏の解説は、淡々とした語り口であるにもかかわらず、読者の想像力を掻き立てるところがあります。
この巻の私のお気に入りは、以下の2品。
<ウオッレンカップ> 作品解説→
西暦10年ごろにパレスティナで作られた銀の器。成熟した男性と若い男性の性行為と2人の美しい若い男性の性行為が描かれた銀器は、その趣味がない私が見ても官能的です。さらにこの銀皿をリアルにしているのは、この写真には写っていませんが、その2人の行為をドア越しに覗き見している少年が描いてあることです(本には写真が掲載されています)。この皿がどんな機会に、どのように使われたかは、観る者の想像に任されますが、それだけで一つの短編小説ができそうです。
<多羅菩薩> 作品解説→
西暦800年頃にスリランカで作られたとみられる菩薩像。これはただただ美しいです。エロチックでありながら、優しい母のように観る者を見つめてくれます。大英博物館ではアジア、中国の部屋の入り口近く中央の、一番といっても良いほど好位置に置かれているのも、無条件で納得します。
補足ですが、今更のようにこの100のモノが語るシリーズの特集サイトが大英博物館のHPにあることに気づきました。BBCラジオでのシリーズ放送も聞くことができます(英語ですが・・・)。これは面白いかも、、、、
サイトはこちら→