その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 カストラート (監督 ジェラール・コルビオ)

2012-08-22 21:23:03 | 映画
 1994年製作のイタリア映画。岡田暁生氏の西洋音楽史の本で紹介されていたので見てみました。バロック時代のカストラート歌手ファリネッリの生涯を描いた伝記映画です。

 それにしても勝手というか残酷というか、少年を去勢してまで、美声を保たせるというのはどういうことなのでしょうか?現代の常識の中に生きる者には、なかなか理解しずらいですが、本映画はそうした時代背景をうまく描写しており、見るものをバロック時代の音楽環境を理解させてくれます。映画のストーリーも、兄弟愛、音楽への情熱、才能への嫉妬、男女愛など、多視点で描かれており飽きさせません。ロンドンを舞台にヘンデルとの確執を描く場面もあり、18世紀のロンド音楽界事情の理解も深まります。

 物語としても教養としても面白い一本です。 




出演
ステファノ・ディオニジ (Farinelli)
エンリコ・ロ・ヴェルソ (Riccardo Broschi)
エルザ・ジルベルスタイン (Alexandra)
カロリーヌ・セリエ (Margarerth Hunter)
ジェローン・クラッペ (Haendel)
ジャック・ブーデ (Phillipe V)
オメロ・アントヌッティ (Porpora)
マリアンヌ・バスレー (Comiesse Mauer)
Derek LeeRagin (カウンター・テノール歌手(声))
Ewa Mallas Godlewska (ソプラノ歌手(声))

スタッフ
監督 ジェラール・コルビオ
脚本 アンドリー・コルビオ
ジェラール・コルビオ
脚色 マルセル・ボーリュー
製作 ヴェラ・ベルモン
撮影 ウォルター・ヴァンデン・エンデ
美術 ジャンニ・クァランタ
音楽監督 クリストフ・ルセ
編集 ジョエル・アッシュ
衣裳デザイン オルガ・ベルルーティ
字幕 寺尾次郎
字幕監修 吉岡芳子
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする