私が日本に帰任することが社内でアナウンスされてから、ありがたいことに、幾人かの人から送別の食事会の誘いを頂きました。バングラディッシュ系英国人の好青年Mくんもその一人です。以前、日本食レストランで馳走したのを、えらく恩義に感じてくれていて、「是非、今度は自分にご馳走させてくれ」と言って誘ってくれました。というわけで、一緒にお昼を食べる約束をしました。
その当日の朝、申し訳なさそうに、彼が私のところにやって来てこう言います。
「何人か、他の人も誘っても良いだろうか?」
「もちろんだよ。多い方が楽しいよ」
「僕は行けるけど、食べられないから・・・」
「????」
「ラマダンがはじまったので日中は飲食できないんだ。あと、ゴメンなさい、ご馳走もできない。今日、財布をどこかで無くしてしまったから・・・」
「そりゃあ、大変だ。かえって悪かったねえ。そんなラマダン中の日を食事の日にしちゃって・・・」
「いや、気がつかなかった僕が不注意だったよ・・・(しょぼん)」
この会話の後、M君の同僚で仲の良いYさんがわたしのところに来て、裏話を教えてくれました。
「実はですね・・・、M君、先週から相当悩んでいたんですよ。『XXさん(私のこと)と食事ができることになったけど、ラマダンが始まるって。。。食べるか、食べまいか・・・。』って。でも、『これが最後の食事になるだろうから』って、昨日は『ラマダンだけど、食べることにした』って言ったんです。
そしたら、今朝、財布なくしちゃったみたいで・・・、『これはラマダン中に食べようとした自分にバチがあたったんだ』、ってまた悩んじゃって。神様をとるか、XXさんをとるかって。で、結局、神様にしたみたい」
「そりゃ、そうだろ。神様相手にどっちにしようか悩まれるなんて、随分、オレも偉くなったんだなあ~(笑)」
笑う話ではないのでしょうが、イスラム教にとってのラマダンの重要性を実感として理解してない日本人の私としては、とっても微笑ましい話であるとおもったのですが、その有り難さは十分に理解できるものでした。
食事会そのものは、M君とわたしのほかに4名が加わって、6名で楽しい時間を過ごすことが出来ました。M君は、水も含めて一切注文なし。サービスの人は、何も注文しないけど、座の中に居るMくんに怪訝なかんじだったし、ラマダン中の人を前に、皆で美味しそうに食事するのは大変、申し訳なかったけど、彼は一切、気にする様子なく、楽しげに会話に加わってくれました。
最後にM君は「Leaving Drink(会社を離れる人が呼びかけるパブでの飲み会)は、日没の8時47分からは飲める(当然、ジュースです)から、その前に終わらいでよ」と言ってくれました。これまた、ありがたいことです。
(後日談)昼食会の翌日、何と、M君の財布がなんと出てきました。地下鉄の遺失物係に、届け出があって連絡が来たとか。既にキャッシュカードは停めていたようですが、M君が嬉しそうに「XXさん、財布出てきたよ」と教えてくれました。「神様が見てたんだね」「きっと、そうだね」って、ウソのようなホントの話と会話です。
その当日の朝、申し訳なさそうに、彼が私のところにやって来てこう言います。
「何人か、他の人も誘っても良いだろうか?」
「もちろんだよ。多い方が楽しいよ」
「僕は行けるけど、食べられないから・・・」
「????」
「ラマダンがはじまったので日中は飲食できないんだ。あと、ゴメンなさい、ご馳走もできない。今日、財布をどこかで無くしてしまったから・・・」
「そりゃあ、大変だ。かえって悪かったねえ。そんなラマダン中の日を食事の日にしちゃって・・・」
「いや、気がつかなかった僕が不注意だったよ・・・(しょぼん)」
この会話の後、M君の同僚で仲の良いYさんがわたしのところに来て、裏話を教えてくれました。
「実はですね・・・、M君、先週から相当悩んでいたんですよ。『XXさん(私のこと)と食事ができることになったけど、ラマダンが始まるって。。。食べるか、食べまいか・・・。』って。でも、『これが最後の食事になるだろうから』って、昨日は『ラマダンだけど、食べることにした』って言ったんです。
そしたら、今朝、財布なくしちゃったみたいで・・・、『これはラマダン中に食べようとした自分にバチがあたったんだ』、ってまた悩んじゃって。神様をとるか、XXさんをとるかって。で、結局、神様にしたみたい」
「そりゃ、そうだろ。神様相手にどっちにしようか悩まれるなんて、随分、オレも偉くなったんだなあ~(笑)」
笑う話ではないのでしょうが、イスラム教にとってのラマダンの重要性を実感として理解してない日本人の私としては、とっても微笑ましい話であるとおもったのですが、その有り難さは十分に理解できるものでした。
食事会そのものは、M君とわたしのほかに4名が加わって、6名で楽しい時間を過ごすことが出来ました。M君は、水も含めて一切注文なし。サービスの人は、何も注文しないけど、座の中に居るMくんに怪訝なかんじだったし、ラマダン中の人を前に、皆で美味しそうに食事するのは大変、申し訳なかったけど、彼は一切、気にする様子なく、楽しげに会話に加わってくれました。
最後にM君は「Leaving Drink(会社を離れる人が呼びかけるパブでの飲み会)は、日没の8時47分からは飲める(当然、ジュースです)から、その前に終わらいでよ」と言ってくれました。これまた、ありがたいことです。
(後日談)昼食会の翌日、何と、M君の財布がなんと出てきました。地下鉄の遺失物係に、届け出があって連絡が来たとか。既にキャッシュカードは停めていたようですが、M君が嬉しそうに「XXさん、財布出てきたよ」と教えてくれました。「神様が見てたんだね」「きっと、そうだね」って、ウソのようなホントの話と会話です。