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SNSで評判になっていたので見に行ってきた。太平洋戦争時、広島から軍港・呉に嫁いだ少女すずの生活・成長が描かれるアニメ映画。
評判通りの完成度の高い映画だった。特に印象的だったのは、主人公を声優として演じたのん。主人公は、のろまでぼうっとした性格だが、厳しい時代を精一杯に生き抜いていく。そのすずの内面を表現力豊かに演じていた。その飾り気のなく自然な演技は深く心に染み入る。「あまちゃん」以後、芸能界の中ではいろいろトラブルの渦中にあるようだが、俳優(声優)としては天性の才があるのは間違いない。
ストーリーも各登場人物もごくごく自然体。原作が実話に基づいたものかどうかは不明だが、戦時中の一般市民の生活って、きっとこんな感じだったのだろうなあと思わせる。国家レベルでの意思決定に規定され、翻弄されざるえない庶民だが、そうした環境でも逞しい。当時の彼らと今の我々をを比較し、恵まれているなあと一瞬思ったが、すぐに、我々も形は違えど、上からの力に規定、制約されて毎日を生きていることにも気づかされ、時代を超えて同じ一庶民として共感できる。
映像も美しく、音楽も物語にしっかりはまっている。強くお勧めしたい一本だ。
監督:片渕須直
脚本:片渕須直
原作:こうの史代
製作総指揮:丸山正雄、真木太郎(GENCO)
出演者
北條すず - のん
北條周作 - 細谷佳正
黒村晴美 - 稲葉菜月
黒村径子 - 尾身美詞
水原哲 - 小野大輔
浦野すみ - 潘めぐみ
北條円太郎 - 牛山茂
北條サン - 新谷真弓
音楽:コトリンゴ