その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響 1月定期Aプロ/ 指揮:トゥガン・ソヒエフ/ ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」 他

2019-01-28 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 楽しみにしていたソヒエフさん指揮の定演。Bプロの「シェエラザード」は絶賛ツイートの嵐だったので、行かれた方が羨ましい限りでした。今日の演目は、前半2曲はロシアもの、後半はフランスものですが、いずれも私には初めての楽曲です。

 1曲目の「バーバ・ヤガー」とはロシア民謡に出てくる魔女とのこと。曲自体は3分ほどの短いものですが、音が雄弁でキラキラ輝いていました。

 2曲目のハーブ協奏曲はハーブ独奏のグザヴィエ・ドゥ・メストレさん(イケメンです)の変幻自在の音色に痺れました。音楽自体は初めてでもすんなり入っていける聴きやすい音楽です。繊細で優しいいかにもハーブ的な音から、ハープの音とは思えない様な激しい音までを弾き分ける技に感服です。特に、アンコールのフアリャのスペイン舞曲での力強い音色にはハープのイメージを変えるほどで驚かされました。

 後半のベルリオーズ作曲の交響曲「イタリアのハロルド」も初めて。長編詩の音楽版であるからでしょうか、抒情的で物語が浮かぶような演奏でした。ヴィオラの独唱はN響の首席奏者の佐々木さん。実に、深みのある音で聴き入ってしまいます。佐々木さんのヴィオラと甲乙つけがたくソヒエフさんの棒捌きも印象的でした。繊細かつダイナミックにオーケストラをまとめ、密度濃く、重層的に音を引き出してくれます。私にはN響との共演を聴くのは4回目ですが、毎回全く外れなく高い感動を与えてくれるので、両者の関係が今後とも長いものになることを願っています。一度是非、演奏会形式でも良いのでオペラを演目に取り上げて欲しいですね。

 意外だったのは、ソヒエフさんの登壇にしては観客席が空いていたことかな。私の並びは11席中3人しか座っていませんでした。「ハロルド」終了後のブラボーや拍手は盛大なものでしたか、私の周りはやや熱量低く残念。今回の演奏会レベルなら、少しでも多くの聴衆の皆さんと一緒に、緊張感もって聞き、終演後は皆で熱く拍手したいからね。


(アンコール曲)


(綺麗な青空でした)



第1905回 定期公演 Aプログラム
2019年1月27日(日) 開場 2:00pm 開演 3:00pm
NHKホール

リャードフ/交響詩「バーバ・ヤガー」作品56
グリエール/ハープ協奏曲 変ホ長調 作品74
ベルリオーズ/交響曲「イタリアのハロルド」作品16*

指揮:トゥガン・ソヒエフ
ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ
ヴィオラ*:佐々木 亮

No.1905 Subscription (Program A)
Sunday, January 27, 2019 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall

Liadov / “Baba-Yaga”, tableau musical d’après un conte populaire russe op.56
Glière / Harp Concerto E-flat major op.74
Berlioz / “Harold en Italie”, sym. with solo vla. op.16*

Tugan Sokhiev, conductor
Xavier de Maistre, harp
Ryo Sasaki, viola*

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