2007年に初版された同書の加筆・修正版。自己啓発書としては相当有名なロングセラーだが、読んだのは初めて。
成功を夢見つつ腰が据わらない青年が、ゾウの頭を持つ神ガネーシャと出会い、2人の対話・出来事を通じ、人生の教訓を学び、成長する物語。
物語形式かつガネーシャが関西弁なので説教臭さが抑えられ、しかも「教え」は極めてまっとうなので、自己啓発書でしばしば感じる上から目線の嫌味を感じずに読み進めることができる。
個人的に膝を打ったのは、29の教えの中の「まっすぐ帰宅する」という教えにおけるガネーシャのお説教。会社の帰りに同僚に誘われ、呑んで酔っ払って帰ってきた青年に対して
「ええか、まず誘われて行くちゅうことなんやけど。これって、要するに『反応』しちょるってことやろ。(中略)世の中のほとんどの人間は反応して生きてねんや。・・・そうや、自分から世の中に働きかけるやのうて、自分の周囲に「反応」しとるだけなんや。・・・反応し続けて一生終わるんや。・・・自分の人生手に入れとるやつらはな、全部自分で考えて計画立てて、その計画通りになるように、自分から世界に働きかけていくんや。」
おー、なるほど。耳が痛いわ。
他にも、教訓のなかでなるほどと思ったのをいくつか挙げると・・・
・「一日何かをやめてみる」(時間がパンパンに入った器から何かを外に出してみる。そしたら空いた場所に新しい何かが入ってくる。勝手に何かが入ってくる。)
・「ただでもらう」(どんな小さなことでも、安いものでも、人からただでもらうことを意識してみると、自分のコミュニケーションがかわってくる)
・「身近にいる一番大事な人を喜ばせる」(人はじぶんにとってどうでもいい人には気を遣うが、親のような自分にとって一番大事な人を一番ぞんざいに扱いがち)
「成功」というよりも、人生の毎日をシンプルに大切に生きるためのアドバイス集だ。