その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響、指揮:尾高忠明、ベートーヴェン「第9」演奏会 @東京芸術劇場

2021-12-27 07:30:16 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

 年末の風物詩ベートーヴェンの第9。今年はルイージ氏の第9が聴けるということでチケットを購入しましたが、コロナ禍で来日不可に。ピンチヒッターとして尾高忠明氏が登壇です。ルイージさんの欠場はショックでしたが、代役が尾高さんなので、これはこれで楽しみでした。

尾高氏の第9は装飾無しの直球の「正統派」。第1、2楽章は早すぎず、遅すぎずの切れの良い演奏で引きつけられます。

心を奪われたのは第3、4楽章。もともと大好きな第3楽章なのですが、N響の管陣の繊細なソロや合奏と美しい弦のアンサンブルが絶妙に組み合わさって、まさに天上の音楽。いつまでもこの音楽に浸っていたいと思います。

第4楽章は「主役」の東京オペラシンガーズの歌声が圧巻でした。総勢52名。コロナ禍で人数を抑えていると思いますが、その合唱は十二分の迫力。オケとの音響バランスも丁度良く、合唱曲の楽しさを満喫です。この曲、やっぱり「合唱」ですね。むしろソロ陣が合唱の力強さにやや押され気味な印象でした(席が3階席の最深部だったからもしれません)。

尾高さんは全体のバランスを取りつつ、しっかりこの名曲の良さを、音楽に語らせます。N響もしっかり尾高氏のタクトに応え、1年を締めくくってくれました。

終演後は満員の聴衆からも惜しみない拍手。いつものN響定期とは違ったお客さんと思われる方も多く、雰囲気も違って新鮮です。

やっぱり、年末の締めは第九だなあ。あとは年越しを残すのみ。寒気が襲う冷たい空気の池袋の街を歩きながら、しみじみと季節を感じていました。

 

ベートーヴェン「第9」演奏会
2021年12月26日(日) 開演 2:00pm
東京芸術劇場 コンサートホール

ベートーヴェン/交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱つき」

指揮:尾高忠明

ソプラノ:森 麻季
メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:櫻田 亮
バリトン:三原 剛

合唱: 東京オペラシンガーズ

Beethoven 9th Symphony Concert

Sunday, December 26, 2021 2:00p.m.
Tokyo Metropolitan Theatre 

Beethoven / Symphony No. 9 D Minor Op. 125 "Choral"

Tadaaki Otaka, conductor
Maki Mori, soprano
Etsuko Kanoh, mezzo soprano
Makoto Sakurada, tenor
Mika Kares, bass

Tokyo Opera Singers, chorus

コメント
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