その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロンドン クリスマス ジョグ

2009-12-26 15:01:16 | ロンドン日記 (日常)
 いつもは公園を走る週末ジョギングですが、今日はクリスマスということもあり、街中を走ることにしました。

 ご存じの方も多いと思いますが、25日のクリスマスのロンドンは全くと言っていいほど、都市機能がストップします。列車、地下鉄、バスの公共交通機関は全て終日運休。お店も、スーパーもデパートも小売店も99%休み。やっているのはイスラム系の人がやっている日用品店ぐらい。当然、レストランも全て休みです。通りから人影がまばらになり、静かな、まるでいつもとは全く異なるロンドンが現れます。私が住む付近も、人気がなくなり、随分寂しいものです。日本も昔、お正月はこんな感じだったなあ~、思い起こされます。今、ロンドンに居るから贔屓しているわけではありませんが、1年に一度ぐらい、こうやって皆が休む日があってもいい気がします。日本はちょっと、せわし過ぎるから。

ロンドンの目抜き通りオックスフォード・ストリート。朝9時半ですが、殆ど人を見かけません。ただ、ここは明日は、クリスマス明けのバーゲンで、東京のラッシュアワー時の新宿駅並みの賑わいになるはずです。


同じく、ショッピング・ストリートのリージェント・ストリート。タクシーをたまに見かける程度です。


いつもは観光客で一杯のトラファルガー広場もひっそり。


今日は私もこのJog以外は家でゆっくりです。
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スタヴェフスキー劇場 「魔笛」 Magic Flute

2009-12-26 02:45:20 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 2日目はスタヴェフスキー劇場で「魔笛」を鑑賞しました。スタヴェフスキー劇場は、モーツァルトが自身の指揮で、「ドン・ジョバンニ」の新曲を披露した歴史的な劇場です。映画「アマデウス」のロケにも使われています。


劇場はとっても小じんまりとしています。出演者の息遣いまで聞えてきそうな距離。全体の色彩が薄グリーンで統一されていて、とっても綺麗です。ここで、モーツアルトが指揮をとっていたと思いを巡らすのもなかなか楽しいです。




 開演前の面白い体験は、ホールのドア前に立つ、齢80も近いかと思わせるパンフレット売りのお婆さんとのやりとり。このホールは、コート等の上着は地下のクロークに預けるのがルールらしいのですが、終演のタイミングと飛行機の出発がギリギリな私は何とかコートを持ち込もうといろいろ工夫しますが、全て見破られ、"Coat. Cloak. Understairs."と怒られ、私の負けでした。

 会場は、クリスマスシーズンの「魔笛」ということもあってか、子供連れの家族での観劇の人も多く見かけました。チェコ語の上演で、ドイツ語と英語の字幕が付きます。後で知ったのですが、プラハ国民劇場による上演でした。

 公演はどうだったかというと、昨日と比較すると、オケや歌手陣は昨日のが一枚上手だが、演出がこちらのほうが良く、総合でスタヴェフスキー劇場のハナ差勝ちといった感じでした。

 お姫様Pamina役のソプラノAlžběta Poláčkováはとても良かったと思います。綺麗な人でお姫様役にぴったり。声の大きさ、響き、色など、全てにおいて一番の出来だったと思います。主役王子様Tamino役のAleš Brisceinも甘いテナーで良かった。あと、3人の侍女と3名の童子達もとっても良かった。



 一方で、いまいち組は筆頭は夜の女王役のJana Bernáthová。確かに難曲続きのこの役なのでしょうが、ちょっと力不足の印象でした。心の中で「ブー」でした。また、モノストタス役のJiří Hruškaも駄演。さらにこの物語のキーでもあるパパゲーノのFrantišek Zahradníčekも不調(もっともこれは事前に「体調が完全ではない」とのアナウンスがあった)。それぞれ見せ場があるものだから、見せ場で見せられないパフォーマンスの何とみじめなものか。オペラは、出演者それぞれがベストでないと全体が崩れてしまう、何と難しい見世物であるかを実感しました。


 それでも昨日より印象が良かったのは、演出のおかげ(それほど昨日は趣味ではありませんでした)。今日も実は、セットは非常に簡易なもので、殆ど布切れ一枚で場面設定に変化をつけます。それでも、上手く布を活用し、魔笛のミステリアスな雰囲気を良く創っていたと思いました。モーツアルトの素晴らしく、かつ聴きどころ満載の音楽を十分楽しむことができました。




 歴史ある劇場で、縁のある作曲者のオペラを聴く。何と贅沢なことか。感謝です。

 飛行機の時間が迫っていたので、カーテンコールの途中で退席し、急ぎ飛行場へ。夕陽が沈む薄明かりの中、プラハを後にしました。2日間の滞在はあまりにも短すぎました。チェコ出身の作曲家、スメタナやドボルザークの博物館にも行けなかったし、オーケストラも聴けず、他にも行きたいところはいくつかあったのですが、とっても残念。是非、もう一度、今度は夏に訪れると決意し、ロンドンへ向かいました。

Magic Flute (Kouzelná flétna)
Composed by: Wolfgang Amadeus Mozart,
Company: Prague National Theatre Opera
Venue: Theatre of the Estates, Prague
Premiere: February 28, 2001
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Staging team & cast

conductor / Jan Chalupecký
stage director / Alfréd Radok
designer / Katarína Hollá, Tazeena Firth
choreographer / Hakan Mayer
chorus master / Pavel Vaněk

Sarastro - The Speaker: Zdeněk Plech
Tamino: Aleš Briscein
The Queen of the Night: Jana Bernáthová
Pamina: Alžběta Poláčková
First Lady: Dana Burešová
Second Lady: Stanislava Jirků
Third Lady: Eliška Weissová
Papageno: František Zahradníček
Papagena: Martina Bauerová
Monostatos: Jiří Hruška
First Man in Armour: Jan Markvart
Second Man in Armour: Aleš Hendrych
First genius: Eliška Soukupová
Second genius: Linda Abiševa
Third genius: Veronika Pluhařová
First priest: Jan Šváb
Second priest: Tomáš Masák

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