その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 指揮マリス・ヤンソンス マーラー交響曲第2番

2009-12-14 08:23:47 | コンサート (in 欧州)
 ロイヤル・コンセルトヘボウの2日目はマーラー交響曲第2番です。この曲は9月にユロフスキ指揮のLPOのコンサートで大感動をしたばかり。なので、その感動を薄めたくないので、実は今日のコンサートはもともとチケットを買っていませんでした。しかし、以前仕事の都合でキャンセルしたコンサートの返金分金券の利用期限が迫っていたため、(仕方なく?)買ったチケットです。

 その結果は、LPOとは内容は全く異なるが、同様の感動を与えてくれたコンサートとなりました。ヤンソンスとロイヤル・コンセルトヘボウは今日も素晴らしい演奏を聴かせてくれました。100名はいるかと思われる大編成オーケストラをヤンソンスはエネルギッシュな指揮で、テンポ、強弱を強力にコントロールし、完全に掌握しているように見えます。オケは今日も個々の素晴らしい音色とそれは見事なアンサンブルで応えます。第一楽章のチェロの迫力ある導入から始まって、(それでも前半は一部ちょっと乗り切ってなかったような気もしましたが、後半からは)完全にペースに乗った感じでした。今日は2階席の最後列でしたが、ステージ上の緊張感がビビッドに伝わってきました。今日のヤンソンスも、ペースはスロー。じっくりと深~いマーラーを聴かせてくれました。

 独唱陣も良かったです。ソプラノのRicarda Merbeth、メゾソプラノのBernarda Fink 二人とも初めて聴く人でしたが、しっとりとした落ち着いた声で2番の神々しさを歌ってくれました。

 また、先週の「オテロ」の時も同じ思いでしたが、London Symphony Chorusのコーラスは素晴らしいです。良いコーラスは本当に心を揺さぶられます。コーラスの実力は正直、日本のそれとはかなり開きがあると思わざるえません。この日は、最後のフィナーレまでずっと座ったままでの歌唱。そして、フィナーレで全員が起立。劇的でした。

 終演後の会場は昨日以上の大拍手。スタンディングオベーションで讃えます。今日はさすがのヤンソンスは疲れ切ったのかアンコールはなし。昨日、アンコールは有り難いものの、最後の曲の余韻に浸れないもどかしさを感じていたところだったので、今日は十分に余韻に浸りながら会場を後にしました。

 来週の今年最後のオペラを残し、今日で今年のオーケストラのコンサートは打ち止め。本当にいろいろ素晴らしい音楽を聴かせてもらった。外国人に囲まれた職場と慣れない一人暮らしでこの1年結構しんどかったが、これらのコンサートでどんなに救われたことか。本当に感謝です。





Royal Concertgebouw Orchestra of Amsterdam / Jansons
Mahler Symphony No 2 in C Minor 'Resurrection'
13 December 2009 / 15:00
Barbican Hall
Mahler Symphony No 2 in C minor 'Resurrection'

Royal Concertgebouw Orchestra of Amsterdam
Mariss Jansons conductor
London Symphony Chorus
Ricarda Merbeth soprano
Bernarda Fink mezzo-soprano
コメント (2)
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