その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 「硫黄島からの手紙」

2012-12-31 06:26:45 | 映画


 年末に実家を訪れている時間を使って、「硫黄島からの手紙」をDVDで見ました。

 ちょっと年末年始に見るには重量級すぎる映画でしたが、素晴らしい内容で感動しました。硫黄島の戦いについては、アジア・太平洋戦争史の知識として、日本軍がほぼ全滅の悲惨な玉砕戦を強いられたことは知っていましたが、栗林中将の人物像や実際の戦闘展開までは知りませんでした。強烈なリアリティを持った映像を前に(実家のTVは自宅のTVより1.5倍映像もでかい)圧倒されました。

 監督はクリント・イーストウッドですが、この映画がアメリカ人により作られたというのが信じられません。私には、日本映画のアジア・太平洋戦争を描いた作品の多くが、国のため、天皇陛下のために自己犠牲を行う日本人の美化に振れすぎている感じがしているのですが、この映画は感傷的な部分を残しつつも、リアリティを重視した展開や映像表現になっています(現実はもっと悲惨だったはずと思うのですが、かなり抑制された映像になっていると感じました)。

 俳優陣では栗林中将演じる渡辺謙の存在感なしにはこの映画は成り立ちません。もう一人のストーリーの軸となる西郷役の二宮和也は、ずいぶん評判が良かったようですが、私にはちょっと物足りなかったです。硫黄島の日本兵の極限感が伝わってこなかった。

 日本人として必見の映画であることは間違いないですね。



キャスト - 硫黄島からの手紙
出演
渡辺謙 (General Tadamichi Kuribayashi)
二宮和也 (Saigo)
伊原剛志 (Baron Nishi)
加瀬亮 (Shimizu)
中村獅童 (Lieutenant Ito)
裕木奈江 (Hanako)

スタッフ - 硫黄島からの手紙
監督 クリント・イーストウッド
脚本 アイリス・ヤマシタ
原案 ポール・ハギス
栗林忠道
製作総指揮 ポール・ハギス
製作 クリント・イーストウッド
スティーヴン・スピルバーグ
ロバート・ロレンツ
ティム・ムーア
撮影 トム・シュテルン
美術 ヘンリー・バムステッド
ジェームズ・J・ムラカミ
音楽 クリント・イーストウッド
編集 ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ
衣裳/スタイリスト デボラ・ホッパー
字幕 戸田奈津子
コメント
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