膨大な読書量で有名な佐藤優氏による読書の方法論です。本屋・図書館には多くの読書論がありますが、本書は月間平均300冊以上に目を通すという筆者ならではのユニークなハウツーが紹介されています。
筆者は、読書を同じ本を3回読む「熟読」、1冊を5分で目を通す「超速読」、30分で読む「普通の速読」の3種類に分け、其々のやり方について実例を挙げて説明します。実例として取り上げられている本、その読書実践を追うと、如何に筆者の技法が「骨太」かがわかります。
技法については読んでもらうとして、筆者の基本的な考え方は・・・
「読書の要諦は基礎知識をいかに身につけるかにある。(改行)基礎知識は熟読によってしか身につけることができない。しかし、熟読できる本の数は限られている。そのため、熟読する本を絞り込む。時間を確保するための本の精査として、速読が必要になるのである。」(p45)
多読のための速読のノウハウを説く本は多く見かけますが、何故速読が必要なのかという考えを明確にしているこのくだりはとても首肯できます。
また、その基礎知識を身につけるために、高校生用の教科書と学習参考書が有用として、学科ごとに実例にあげての説明も参考になります。
あとは、これを実践できるか?机に座って考える時間を殆どとっていない自分には、かなりハードルは高そうです。