その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

新国立劇場/ バレエ 「シンデレラ」

2012-12-19 22:04:46 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)
新国立劇場で「シンデレラ」を見ました。


≪おじさんはちょっと引いてしまうポスター≫

「シンデレラ」は、吉田都さんのロイヤルバレエ最終公演(@ロンドン)の感動の舞台(最終公演(その1)→最終公演(その2)→)を見て以来です。今回の公演は、(幕が上がるまで気付かなかったのですが)そのロイヤルバレエの時と同じ、振付アシュトン、監修・演出はウェンディ・エリス・サムスの舞台です。プロコフィエフの音楽聞きたさに、当日券を求めて行ったのですが、思いもかけぬ同じ演出・振付で、私にとっては懐かしさが一杯の公演となりました。

4年半ぶりの新国立劇場でしたが、立派な劇場ですね。フランクフルト歌劇場やベルリン・ドイツ・オペラにも似ています。クリスマスシーズンの演目でもあり、親に連れられた小学生ぐらいの女の子達が沢山いました。座席の入りは8割強といったところでしょうか。開演15分前に駆け込んだのですが、まだ全ての座席種に空きがあり、私は下から2番目の3150円の席を購入。それでも、舞台も良く見えるし、音の聞こえ方も全く不満はないものでした。

バレエはほとんど見ないのでコメントは難しいのですが、期待以上の水準でした。シンデレラの米沢 唯さんはスポーティーな動きが特徴です。優美でもあるのですが、切れの良い踊りで、見ていて気持ちが良いです。華奢な体格はシンデレラの可憐なイメージとも合い、動きは美しい中に凛とした体操競技を見るような爽快感があります。感情表現の奥行きがもっとあれば、更に素晴らしいと思いました。王子様の厚地康雄はエラクいい男、かつダンスもいい。そのほかのダンサー達も上出来で、仙女や4人の精たちの踊りは柔らかく、見ていて惚れ惚れとしました。 また、シンデレラの姉達のコミカルな動きも良く、道下の動きもキビキビしていて好みだったです。お手ごろ価格のチケットだったので、クリスマスシーズンのファミリー公演かと思った自分がいい意味で馬鹿でした。とてもレベルの高い公演に大満足。

一方、お目当てだった音楽の方は、東フィルの演奏は音は良く出ていたし、第3幕のラストシーンなどはとっても美しい音色だったのですが、ちょっと全体としてのまとまりやプロコフィエフの音楽らしいキレは感じられず、悪くはないですが、揺さぶられる演奏ではありませんでした。

余談ですが、休憩時間に吉田都さんを発見。ロンドンでの日本人関係者の年始パーティーでお見かけして以来です。お話し中だったので、お声掛けする機会はありませんでしたが、相変わらず若々しく華のある方です。



音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
Music : Sergei Prokofiev

振付: フレデリック・アシュトン
Choreography : Sir Frederick Ashton

監修・演出: ウェンディ・エリス・サムス
Production Directed and Supervised by Wendy Ellis Somes

美術: デヴィッド・ウォーカー
Designs : David Walker

照明: 沢田 祐二
Lighting : Sawada Yuji

指揮: エマニュエル・プラッソン
Conductor : Emmanuel Plasson

管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団
Orchestra : Tokyo Philharmonic Orchestra..

シンデレラ:米沢 唯
王子:厚地康雄
義理の姉たち:古川和則 野崎哲也
仙女:本島美和
父親:石井四郎
春の精:細田千晶
夏の精:堀口 純
秋の精:奥田花純
冬の精:厚木三杏
道化:福田圭吾
ナポレオン:吉本泰久
ウェリントン:小笠原一真
コメント (2)
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