★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

われは海の子

2015年05月27日 19時04分39秒 | 徒然(つれづれ)
 生まれ故郷の町は窯元があり、炭鉱があり、山や畑があり、そして海があった。
 漁師の祖父の孫として生まれた私は、当然海の近くの家で育った。
 
 家から歩いて2、3分程のところに小さな波止場があり、内側が漁船の船着場で外側が砂浜になっていた。
 子供の頃は義経よろしく、係留された漁船から漁船へと飛び移って遊んだものだ。たまに海に落ちて、ずぶ濡れになって泣いていた奴もいた。
 
 春は砂浜で潮干狩りして、獲ったアサリやハマグリを祖母に煮てもらって食べていた。
 夏は毎日が海水浴で、小学校に入るまでに泳ぎを覚えていた。
 花火大会の時は見物客を乗せた魚船で海へ出て、海岸から打ち上げられる花火を真下から見ていた。
 秋は祖父の船に乗って仕掛けた網を揚げるついでに、湾内をクルージングだ。
 まさに、われは海の子を地でいっていた。

 そんな海も工場誘致で埋め立てられて、あの波止場も今はない。
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