★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

ロバのパン屋

2019年10月14日 14時36分13秒 | 徒然(つれづれ)
 ローソンのパンの棚に蒸しパンがあったので、懐かしさからつい買ってみた。
 食べてみると味はほとんど昔のロバのパン屋の蒸しパンそのままだった。

 昭和30年代の子供の頃、私の村にもロバのパン屋がよく来ていた。
 当時のロバのパン屋は、アイスキャンデー売り、紙芝居屋とともに三大移動販売のひとつだった。

 自転車移動の他のふたつとは違い、ロバや馬に引かせた馬車で、テーマソングを流しながら移動するロバのパン屋は、田舎の子供たちには都会のハイカラなイメージを与えた。
 聴きなれたメロディが流れてくると、親に十円玉を何枚かもらい、蒸しパンを買ったものだ。

 そんなロバのパン屋も、アイスキャンデー売りも、紙芝居屋も、どこから来てどこへ帰っていくのかずっと謎のままだった。
 そして高度成長の始まりとともに、それらはひっそりと消えていった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする