男の食堂

　私が贔屓にしている牛丼御三家、吉野家、松屋、すき家だが、圧倒的に女性客が少ない。
　ファミリーの主婦やカップルの女性はたまに見かけるが、ひとり客の女性は滅多に見かけない。

　主力の客は低所得者層の労働者や学生、たまに年寄りの男性だ。
　会社の方針で男性客にターゲットを置いたマーケティングなのだろう。
　女性を排斥しているわけでもないが、女性にとってはハードルが高く入りにくい雰囲気だ。

　女性客が入るようになると売り上げは倍とまではいかなくとも、1.5倍くらいにはなるはずだ。
　それをみすみす逃している各社の戦略はどうかしてるぜ。

　その根底にはやはり昔からの男尊女卑の影響がありそうだ。
　男がワイルドに食らう丼や定食を、女だてらに食うものではない、という偏見だ。
　逆に女性の立場からすると、がさつな男の食堂など入りたくもないということだろう。

　稀にひとりで入店して黙々と牛丼を食べる男勝りの女性客もいるにはいる。
　あれは相当な覚悟の上なのか、男の視線などどこ吹く風の達観なのか、その真意がわからない。

　言っては悪いが、残念ながら、そんな女性客に美人やお洒落さんはいない。
　願わくば、モデル級の美人で、ファッションもバッチリ決めた女性客の入店を望む。

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