虹色仮面 通信

神出鬼没なオッサンが毎日感じたことを取り留めなく書き連ねます

43歳の苦悩、そして決断。

2012-10-10 09:52:50 | スポーツ
自動車レースの最高峰F1で、史上最多の7度の総合王者に輝き、これまたF1記録である通算91勝をあげたミハエル・シューマッハ(ドイツ)が今季限りで引退することになった。

2006年に一度引退して、2010年に電撃復帰。
そして、2012年に再び引退(本人曰く最後の引退)することを決め、先週末の鈴鹿(日本GP)で発表があった。

1991年のF1デビューから2006年までの最初の引退までは、歴史に残る素晴らしい結果を残してきただけに、2010年の復帰からの3年間は正直なところ、物足りなさを感じた。

道具を使う自動車レースの場合、車体の性能の良し悪しが結果に大きく響くのも事実。
そして、41歳での復帰だっただけに、本人も(精神的な)モチベーションと(肉体的な)コンディションの維持には苦労したことだろうし、それに起因するアクシデントも度々見られた。
復帰後の3年間は、チームメイトのロズベルグに勝てない状況が普通になり、周囲から限界説が囁かれたり、再度の引退を促されるなど、かつてない苦境に陥ったのも事実であった。

現在43歳だが、トップレベルのスピードを維持していることは特筆すべき点だと思う。
また、あの年齢でもレースに対する情熱を、昔と同じように持ち続けていることも常人の域を脱しているといえよう。
まして、自分より20歳くらい若い人たちと競争しているんだから、心身ともにキツかったはずだ。

ただ、F1の世界は結果ありきの世界でもある。
然るべき結果が残らないのなら、必然的に消え去るのみだ。

今季はモナコGPで予選1位(ペナルティ降格で6位スタート)、そしてバレンシア市街地コースでのヨーロッパGPで6年ぶりの表彰台(3位)と、まずまずの結果は残せた。
本人も会見で語っていたが「モチベーションの維持に自信が持てなくなった」のが再引退の大きな理由らしい。
F1のようにハイスピードで競争するスポーツの場合、モチベーションが保てなくなると事故(アクシデント)につながり、最悪の場合には事故死することも想定できる。
自分ばかりか周囲にも影響を及ぼすので危険極まりない。

彼には家族もいるし、これまでのレース人生で充分に裕福になったであろう。
これからはレース以外にも目を向けて生きていくのが自然だろう。

とはいえ、根っからのレーサーであり、ドライブ好きのミハエルのことだから、クルマの世界で生きていくのだろう。
早速、F1のタイヤを供給しているピレりから、テストドライバーのオファーが届いてるという。

F1レースからは今季限りで離れるが、これからも度々話題になることに変わりはなさそうだ。