少し前の新聞に、興味深い記事が載っていましたので、そのままご紹介します。
寒い日が続いているが、特に高齢者の場合、冬場の入浴は十分な注意が必要だ。
脱衣所や浴室が冷え切っていると、浴槽の熱い湯との温度差で体に負担がかかり「ヒートショック」のために命を落とす危険もある。
安全に入浴するためには「温度差」を小さくすることが重要となる。
◆急激な変化
「多くの高齢者にとって入浴は楽しみだが、危険であることも知ってほしい」。東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)の高橋龍太郎副所長は警鐘を鳴らす。
同研究所が東日本の380消防本部の協力を得て調査したところ、平成23年中に4264人の高齢者(65歳以上)が入浴中に心肺停止状態となっていた。
発生月は12~2月が多かった。既に死亡していて救急搬送されなかったケースもあるため、同研究所では全国で約1万7千人が死亡したと推計。
高橋副所長は「毎年、同程度の高齢者などが死亡していると考えられる」。
冬場の入浴中に死亡が増える理由について、高橋副所長は「ヒートショックが主な原因の一つ」と説明。ヒートショックとは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動し、その結果起こる健康被害のことだ。
入浴時は脱衣所で裸になり、浴室を通って湯につかる。脱衣所や浴室が寒いと体が冷えて血圧が急激に上がり、湯につかると熱さが刺激となってさらに血圧が上昇。
湯で体が温まると血管が拡張して血圧が急激に下がる。
血圧の急上昇や急降下は失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞、脳内出血などの原因になるという。
浴槽内で意識を失えば溺死する恐れもある。
「高齢になればなるほど動脈硬化が進むため、血圧が上下しやすく、体温を維持する機能も低下する」(高橋副所長)
高血圧や糖尿病の人なども注意が必要だ。
◆日没前・夕食前
ヒートショックを防ぐ方法は-。
高橋副所長は「脱衣所や浴室を暖め、湯温はぬるめにして両者の温度差をなるべく小さくすることが重要」と説明する。
脱衣所や浴室は18度以上、湯の温度は41度以下が目安だ。
入浴のタイミングにも気をつける。お勧めは「日没前・夕食前」
今の時期は日没後、急速に冷え込む。
日没前であれば外気温が比較的高いうえ「人の生理機能が高いため、温度差に体が適応しやすい」
万一のとき助けを呼びやすい時間帯でもある。
食事をすると血圧が下がりやすくなるため、食後1時間は入浴を避ける。
飲酒後も避けた方がいいという。
最近は1人暮らしの老人も増えているが、事故を防ぐため1人での入浴はなるべく控えたい。
周囲の目がある銭湯や健康ランドなどを活用するのがお勧めだ。
このほか、熱中症を防ぐため、長湯は控える、入浴前後に水分補給することも注意点として知っておきたい。
■シャワー給湯で浴室暖房
東京ガス都市生活研究所(東京都港区)の青柳恵子主幹研究員は手軽に浴室を暖める方法として「シャワーを使った給湯」を紹介する。
湯温を少し高めに設定したシャワーで高い位置から浴槽に湯を入れ、湯気で暖まった浴室が冷めないうちに入浴する-という方法だ。
脱衣所や浴室用の暖房器具を使う方法もある。
同社の浴室暖房乾燥機の場合、熱源機(暖房用の温水を作る機械)のない家庭では導入費用は約15万円~(別途工事費)
ミストサウナで体を温める機能が付いたものは約19万円~(同)
脱衣所用のものとしては温水で暖めるタイプの「温水ラジエーター」などがある。<了>
徐々に身体を慣れさせてから入浴することが必要です。
一気にコンディション変化すると、さすがに優れている人間であっても適応ができません。
無理なく入浴を楽しむために、身体の状況と相談しながらお湯に浸かってくださいね。
寒い日が続いているが、特に高齢者の場合、冬場の入浴は十分な注意が必要だ。
脱衣所や浴室が冷え切っていると、浴槽の熱い湯との温度差で体に負担がかかり「ヒートショック」のために命を落とす危険もある。
安全に入浴するためには「温度差」を小さくすることが重要となる。
◆急激な変化
「多くの高齢者にとって入浴は楽しみだが、危険であることも知ってほしい」。東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)の高橋龍太郎副所長は警鐘を鳴らす。
同研究所が東日本の380消防本部の協力を得て調査したところ、平成23年中に4264人の高齢者(65歳以上)が入浴中に心肺停止状態となっていた。
発生月は12~2月が多かった。既に死亡していて救急搬送されなかったケースもあるため、同研究所では全国で約1万7千人が死亡したと推計。
高橋副所長は「毎年、同程度の高齢者などが死亡していると考えられる」。
冬場の入浴中に死亡が増える理由について、高橋副所長は「ヒートショックが主な原因の一つ」と説明。ヒートショックとは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動し、その結果起こる健康被害のことだ。
入浴時は脱衣所で裸になり、浴室を通って湯につかる。脱衣所や浴室が寒いと体が冷えて血圧が急激に上がり、湯につかると熱さが刺激となってさらに血圧が上昇。
湯で体が温まると血管が拡張して血圧が急激に下がる。
血圧の急上昇や急降下は失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞、脳内出血などの原因になるという。
浴槽内で意識を失えば溺死する恐れもある。
「高齢になればなるほど動脈硬化が進むため、血圧が上下しやすく、体温を維持する機能も低下する」(高橋副所長)
高血圧や糖尿病の人なども注意が必要だ。
◆日没前・夕食前
ヒートショックを防ぐ方法は-。
高橋副所長は「脱衣所や浴室を暖め、湯温はぬるめにして両者の温度差をなるべく小さくすることが重要」と説明する。
脱衣所や浴室は18度以上、湯の温度は41度以下が目安だ。
入浴のタイミングにも気をつける。お勧めは「日没前・夕食前」
今の時期は日没後、急速に冷え込む。
日没前であれば外気温が比較的高いうえ「人の生理機能が高いため、温度差に体が適応しやすい」
万一のとき助けを呼びやすい時間帯でもある。
食事をすると血圧が下がりやすくなるため、食後1時間は入浴を避ける。
飲酒後も避けた方がいいという。
最近は1人暮らしの老人も増えているが、事故を防ぐため1人での入浴はなるべく控えたい。
周囲の目がある銭湯や健康ランドなどを活用するのがお勧めだ。
このほか、熱中症を防ぐため、長湯は控える、入浴前後に水分補給することも注意点として知っておきたい。
■シャワー給湯で浴室暖房
東京ガス都市生活研究所(東京都港区)の青柳恵子主幹研究員は手軽に浴室を暖める方法として「シャワーを使った給湯」を紹介する。
湯温を少し高めに設定したシャワーで高い位置から浴槽に湯を入れ、湯気で暖まった浴室が冷めないうちに入浴する-という方法だ。
脱衣所や浴室用の暖房器具を使う方法もある。
同社の浴室暖房乾燥機の場合、熱源機(暖房用の温水を作る機械)のない家庭では導入費用は約15万円~(別途工事費)
ミストサウナで体を温める機能が付いたものは約19万円~(同)
脱衣所用のものとしては温水で暖めるタイプの「温水ラジエーター」などがある。<了>
徐々に身体を慣れさせてから入浴することが必要です。
一気にコンディション変化すると、さすがに優れている人間であっても適応ができません。
無理なく入浴を楽しむために、身体の状況と相談しながらお湯に浸かってくださいね。