回遊式林泉庭園

清澄庭園へ向かいます。

この場所は、江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡だったそうです。
享保年間（1716～1736年）には、下総国関宿の城主・久世大和守の下屋敷となり、その頃にある程度庭園が形づくられたといわれています。

明治11年、岩崎弥太郎が、荒廃していたこの邸地を買い取り、社員の慰安や貴賓を招待する場所として庭園造成を計画、明治13年に「深川親睦園」として一応の竣工をみました。
弥太郎の亡きあとも造園工事は進められ、隅田川の水を引いた大泉水を造り、周囲には全国から取り寄せた名石を配して、明治の庭園を代表する「回遊式林泉庭園」が完成しました。

清澄庭園は、関東大震災で大きな被害を受けましたが、この時は災害時の避難場所としての役割を果たし、多数の人命を救いました。
岩崎家では、こうした庭園の持つ防災機能を重視し、翌大正13年破損の少なかった東側半分（現庭園部分）を公園用地として東京市に寄付し、市ではこれを整備して昭和7年7月に公開しました。

昭和52年には、庭園の西側に隣接する敷地を開放公園として追加開園しました。
ここには芝生広場などがあり、サクラの木が20本ほど植えられ、春のお花見の場となっています。
庭園は昭和54年3月31日に東京都の名勝に指定されています。

この日は雨模様でしたが、数多くの観光客が来ていました。
とくに外国人（観光客）がしみじみと、日本庭園を鑑賞していたのが印象的でした。

東京にはかつて大名屋敷だった庭園がたくさんあります。
世界屈指の庭園都市だった江戸の名残が各所に残っているのです。

清澄庭園
住所　江東区清澄3丁目3-9
開館時間　9時～16時半
休館日　12月29日～1月3日
入館料　一般150円、65歳以上70円 ※小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料、団体割引あり。
無料公開日　みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)